捧げ物

□まかふしぎ
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※ぷよ丸さんと研崎様のお話

※gdgdサーセン…
















「…ふぅ…」



少し深く吸い込んだ息を音をたてて吐き出す


簡単に言ってしまえば溜め息を吐いて
そのまま机に肘をついた片腕に頭を擡げる



私、研崎竜一は、先程からずっと悩んでいる

いや、正確に言えば数日前
ヘタをすれば数週間、数ヶ月前から頭の中を悶々と、消化しきれないものが煙のように渦巻いている




明日の会議で発表するための書類やら何やらが


全く、纏まらない




どれだけ時間をかけて考えても納得のいく考えが浮かばない


こうなってしまうと、大体はこのまま何も浮かばないままに終わってしまう


…これがスランプというものか…




いくら机に向き直ってみても晴れない頭の中の煙

一度飲み物でも飲んで落ち着こうか、と
イスから立ち上がって部屋のドアへ向かう







ぽよん





「……え?」



音にするとまさにそんな感じの

何か小さく柔らかいものが、

勢い良く開いたドアにぶつかって小さく跳ねとんだ



近づいてそれを確認してみれば



まん丸で真っ白な、例えるなら餅やマシュマロのような手の平ほどの大きさ
頭、らしき部分から生えている蒼くながい髪の毛は後ろで一つに縛られ、それは私のよく知る人物に少なからず似ている気がした



ドアとぶつかって1メートルほどコロリと転がったそれは
止まったそこでまたポヨポヨととび跳ね始めた


ぶつかったのが痛かったのか、心なしか泣いているようにも見えたので

それに近付いて
手の平を上にしてそっと近づけると、それは自らその上にヒョイと飛び乗った


片手に少し余るくらいの大きさのそれ

触ってみれば見た目の通りフニフニと柔らかく、さわり心地のよいそれ


動物? 虫?? 未確認生命物体???


今まで読んだ資料や本では一切見かけたことがない


このどことなく恋人に似ている生命は
一体何なのだろうか…?



とりあえず
キッチンへ飲み物を取りに行く途中だったことを思い出し

それを手に乗っけたまま向かう


いつの間にか泣き止んだそれは、手の上を何度か跳ねたあとに
腕を伝って肩に乗って跳ねたり、頭の上に乗ってみたり

私は特に気にすることもなく自由に遊ばせておく

機嫌が良いようだし、全く逃げようとしないことから懐いてもらえたようだ





キッチンに着いて、グラスを用意し、冷蔵庫から適当に飲み物を選んで取り出す

その間ぷよぷよと動き回っていたそれを
危ないのでテーブルの上に非難させておく




普通の飲み物を与えても大丈夫だろうか?と心の中で考えながら
家にある一番小さなコップも用意して少量自分と同じ飲み物を注いだ



くるりと振り返ってテーブルの上を見ると…


……?



キョロキョロと周りを見渡してみるが、


…さっきまでそこで跳ねていたそれが

忽然と消えていた





テーブルの下や家具の隙間にも目を通してみたが、どこにもいない


逃げたのか消えたのか、はたまた私の幻覚だったのか

でも、まだあの柔らかい感触はまだ肌に残っている






グラスに半分ほど注がれた飲み物を一気に飲み干した後

部屋に戻りまた机に向かった






それから書類は驚く程あっさりと纏まった

先程のモヤモヤが嘘のように晴れていた



それはただの偶然か、
それとも…







(悩んだらまたでるよ)







END






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