ぶん

□子守
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今日は珍しく練習が休みだった


日頃の疲れを取るための休養だとか何とかで

それにしてはやけに静かだな
そういえば、昨日メンバーがせっかくの休みだし遊びに行こうとか言ってたな…


俺も一応誘われはしたが断った


俺はまだ
そこまでイナズマジャパンのメンバーとは仲良くはない
まあ以前に比べればまだマシにはなったが

一緒にお出かけ
ってほどでもねぇし

なかなか貰えない休養日なんだから今日は一日中寝ていようか…




コンコン



目を閉じて寝る体制に入ろうとしたとき

突然ドアをノックする音が聞こえた

誰もいないものだと思い込んでいたものだから少し驚いた


「(チッ…誰だよ…)…入れば?」

若干イラついた声でそうこたえる

だがドアはいっこうに開かない



コンコン


またドアをノックする音が聞こえる

「だから、入っていいって言ってんだろ…」


再びそうこたえるが
ドアは開かない



コン…コン


さすがにイラッときた俺は勢いよくベッドから起き上がりドアを自分で開けた

「何回言わせんだ!!入れっつってんだ……あ?」

怒鳴りながら扉を開けるがそこには誰もいない


木暮あたりがイタズラでもしているんだろうか
この俺に仕掛けるとはいい度胸じゃねぇか…

そんなことを思いながら俺は扉の周りをキョロキョロと見渡す

すると下
つまり俺の足元の方から小さな声が聞こえた


「…ふ、ふどぉ〜…」

下の方に目をやるとそこには



肩につくぐらいまでの淡い水色の髪

赤茶けた大きな瞳

歳は、5歳ぐらいだろうか

片目を髪で隠していて
何だか密かに思いを寄せているチームメイトに似ている

そんな子供が
俺のジャージのズボンの裾をひっぱりながら
涙目でこちらを見上げていた
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