一周年!!

□Frenzy
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あの後、先生に呼び出された


理由は分かっている


でも、全く身に覚えがない
ガラの悪い同級生達に囲まれて、ボコボコに殴られると思った


でも、気がついた時、ボコボコにやられていたのは同級生達の方で

倒れ込む大勢の中に一人立ち尽くしている自分

掌には殴った際に付いたらしい痣や相手の血痕が


これでは誰が見ても俺がやったとしか思えない



なんとか警察沙汰は免れたが、俺は転校を余儀なくされた












少し離れた街の学校に転校する事になった

俺はその学校から程近い叔父の家にお世話になる

一つ年下の従兄弟もいるから、寂しくはないだろう


だが、やはり住み慣れた家を離れ、
親戚とはいえ殆ど顔を合わせる事のない人物の家に住まわせてもらうのだ
不安はある



駅から徒歩で家に向かい、周りより一回り大きな家のインターホンを押す

……


少し待ってみても、中から誰か出てくる気配はない

その後も何度かインターホンを押し続けてみるが、反応はなかった


自分が訪ねてくるのは知っている筈なのに…


仕方なくドアノブを捻ってみると
鍵はかかっておらず

勝手に入ってしまうのは失礼だとも思ったが
日も暮れ始めた外にいるわけにもいかず

ゆっくりと中に足を踏み入れた




「すみませーん、風丸ですが…」


玄関で声をかけても
やはり反応は返ってこない
それどころか、不気味なほどに静かな家の中
少し寒気を感じたのは、気のせいだろうか…


荷物をそのままに、靴を脱いで中に入る
そこらの家よりずっと広いであろう廊下を歩き

家の住人を探す









ゾクリ


「っ!」



突然後ろから突き刺さるような視線を感じ
振り返ろうとした瞬間

顔のギリギリ横を鋭いものが横切った


ガッ


「!!?」



壁に突き刺さったそれは、ギラリと刃を光らせる包丁



「フ…フフ…アハハハハハッ!!」


聞き覚えのある声

後ろを振り返った先にいたのは、
従兄弟の宮坂了



「りょ、う…?」
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