音 楽
□Mikä sinun nimesi on?
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「フラスコって、何て名前なんです?」
急に、何の前触れも無く自分に向けられた声。
随分と間抜けな反応をとってしまったが、そいつは特にからかいもせず、瞳を爛々と輝かせ此方を見ていた。
何を知る必要が有るのか、と問ってみれば、
「だって、不公平じゃないですか?私等の名前は皆知っているのに、私等は貴方の名前を、1文字も知らないんですよ?」
それもそうだ・・・が。
「別に減るもんじゃないんですし、いいじゃないですか」
「ボクも知りたーい!」
減るもんではない。確かに減るもんではないんだが・・・。
というか、お前まで加勢するな多鬼島。鬱陶しい。
まあ教えてもいいんだが・・・
「お前ら、確か日本人だったよな・・・?」
もっとも重要なポイントを訊く。
「そうだけど?」
「はぐらかそうとしても無駄ですよぉ〜?」
馬鹿言うな。俺にとっては死活問題だ。
ダースならまだしも、こいつらに教えるなんて心底嫌だ。
・・・まあ、ほっといてもうざいだけなんだよな・・・。
「・・・知りたいか?」
「「知りたーい!」」
声を合わせるな気色悪い。
「・・・笑うなよ?」
「「笑わなーい!」」
・・・本当だな?
これで笑ったらお前ら・・・
それでも言うべきか言わざるべきか悩んでいると、早く早くと急かしてくる。
男なら腹を括るしかない。
「・・・ミカ」
言ってすぐは、理解出来ていないのか何なのか、キョトンとした顔で黙っていた2人だったが、やっと俺の口から発せられた2文字が、さっきから散々訊いていた答えなのだと分かった途端、噴出し、笑い始めた。
「ちょwwwミカwww」
「随分とまあw可愛らしいwww」
「笑わない」と言ったのはどの口だったか。
頭に血が上る。 室温も湿度も高くないのに、顔が熱い。
ちゃん付けしてからかってくる淀川と笑い転げる多鬼島に、流石に キレた。
「黙れ笑うなフィンランドの男の名前じゃ由来は大天使ミカエルじゃ何か文句あっか?」
一息で言い終わる頃には、車椅子後部のホルスターから抜いた巨大鋏を構えていた。
流石にヤバイと感じたのか、ぴたりと笑うのを止める2人。
・・・ニヤケ面のままで・・・。
とりあえず目の前の阿呆のどちらかを仕留めようと思った時・・・
「ふふっw」
と、背後から笑う声。
「ダース・・・?」
「あ、すいません」
謝っているつもりだろうが、笑ってるぞ・・・?
・・・よし、
「とりあえず淀川潰す」
「はい!?何で私だkちょっと待ってwww」
「御愁傷様w」
「多鬼島ヒドイッ!」
全く騒がしい・・・
まあ、それがいいんだがな・・・。
さて。
遊んでやるか。
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