音 楽
□節分〜雪辱戦〜
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買い物から帰ると、
左手に粒上のナニかの入った枡を持ち、
気味の悪い笑みを浮かべ、
意気揚々と待ち構える兄が、
玄関に立っていた。
いや、いくら日が暮れてきたとはいえ不審者が堂々といる時間じゃないだろうと・・・思いたかったが、
金髪碧眼。見間違えることなど出来やしない、まごうことなき兄の姿。
「はーっはっはー!遅かったな!極卒ぅ!」
・・・とまあ、テレビアニメの悪役なんじゃないかってくらいの台詞。
一応成人してるんですから、恥ずかしく・・・考えても無駄か。
こうなったこの人にそんじょそこらの常識は通用しない。
「あんまりにも遅かったから先に年の数だけ豆を食べさせてもらったぞ!」
いや、20ちょっとなら5分もあればお茶のおまけが付きますよ。
・・・言っても無意味だろうから言わない。
とりあえず夕飯が作りたい。あんまり遅いとなのこが五月蝿いし・・・。
「・・・で。用件は?」
さっさと済ませてもらおう。
「はっ!忘れたとは言わせないぞ!!去年の恨み、はらさでおくべきかぁ!!」
去年・・・あー・・・。そういえば盛大にぶっ飛ばしたなーと思い出している間に、
「とゆーわけで!普通の豆にチョコ味のひなあられをコーティングした特別製を・・・くらえ゛っ!?」
どさ・・・
とりあえず黙ってもらう為に買ってきた葱で殴ってみた。
・・・葱って・・・強いな・・・。
行事混ざりすぎとか突っ込みたかったけど、一々かまってたらきりがないのは長年の付き合いでお見通し。
葱はいい武器になる事を学習したところで、倒れている兄をそのままに、夕飯を作る仕度を始めた。
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