Novella

□魔王的小動物
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薄紅色の花弁がヒラリヒラリと美しく舞い上がる
暖かな春の季節

並盛中学校の1年の教室
そこの窓側で一番端の席で散っていく桜の儚さを、1人の少年が見つめていた



(…キレイだなぁ…)


穏やかな春風に吹かれ
ふわふわとなびく蜂蜜色の髪に、睡魔に襲われ少し伏せられた琥珀色の瞳
幼さの残る愛らしい小動物な顔をした
少年…沢田綱吉である。


現在3時限目の数学の授業中なのだが

横の方を見ると
黒髪の少年…山本武はとっくに意識を手放し、夢の世界に朝から行っているし

前の方では

銀髪の険しい顔をした獄寺隼人は下を向き、物凄いスピードでノートに何かを書き込んでいた。

ほとんどが違うものに集中し、授業を真面目に聞いている者などごく少数だ。


もちろん俺は前者の方
窓の外を眺めている


(…つまらない…)
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