Novella

□フィルマメント
1ページ/7ページ



オレはフリーのヒットマン名はリボーン

イタリアじゃぁ名のしれた最強ヒットマンだ

黒い格好をしているからか死神と恐れられている


今日、電話から依頼がきた


依頼はイタリアの…否、世界のマフィアの頂点である『ボンゴレ』のボスからだった
電話してきたのは秘書だったけど…


「マジかよ…」


オレは電話が切れた後、ひとりそう呟いた

仕事の内容と報酬は直接ボスが話すそうで、時間に迎えを寄越すらしい

約束の時間は25時
それまで後、二時間程あった


オレは時間を潰す為にたまたま近くにあったバーに行く事にした

場所はさっきオレが居た場所を伝えてあるので
時間迄にそこに行けばいいだろう

ドアを開けるとチリンチリンと客が来た事を報せる小さなベルが鳴る


「いらっしゃい」

まだ若い黒髪のマスターが人の良い笑みを浮かべてそう言った

店内は狭苦しくなく適度でゆるりと寛げる、
内装は黒で統一されている薄い青のライトがカウンターに置いてあり
全体的に落ち着いていた

オレはマスターの前のカウンター席に座った


「はい、これ…私の奢りです」

マスターがニコニコ笑いながら
淡い青色のカクテルを出してくれた


「いいのか?」

「はい、私が勝手に貴方とはこれからもいろいろある様な気がしただけですけど…どうぞ、遠慮せず」

マスターがそう言うのでオレは言葉に甘え、それを飲んだ

爽やかで
ほんのりと甘い


「美味いな」

オレは本心からそう言った

「でしょう…私のオススメです…名前は『ピオーヴァ』」

マスターは得意気にそう言い

「…雨?」

「そうです…これが出来た日にね雨が降っていたからピオーヴァなんです」


「へぇ」

「…ところでお客さん、これから仕事?」

マスターは少し砕けた口調になったがオレは気にしなかった


「ああ、これから大きな組織の親玉とお話ししにな」

「ほぉ、それまた凄い」

静かに相づちを打つマスターはまたカクテルを出してくれた
今度は澄んだオレンジだった

「これはある人以外にはお出ししないのですが、貴方には特別に…」

と言った

「…それはありがとう」

一口、口に含む

甘い…

最初にそう感じた


「甘いでしょう…あの人は甘党なんですよ…アルコールも強いクセに弱いのばっかり飲んで…」


確かにこのオレンジのカクテルは
甘いし、アルコールが弱い

最初のものも少し甘かったが、それよりもかなり甘い

アルコールも、ジュースに近い…というかもうジュースだ


「ある人とはマスターの大切な人なのか?」



「まぁ…そんなもんですね…このカクテルは、この店の…否、私オリジナルです…ピオーヴァもね」



「そうか……ところで、このカクテルはなんて名だ?」

また、このマスターにあった時に飲みたいもんだと思って名を聞いてみた


「これは……おっと、お迎えが来ていますよ…貴方に」

「は?」

時計を見ると、約束の時間だった


「ヤバイ!マスターいくらだ?」

慌てたオレは財布を取出し、マスターにいくらかを聞くと


「私の奢りです…」


といいお金を受け取らなかった







店のドアを開けると目の前に黒い車が止まっていて内心驚いた

(なんで場所がわかったんだ?…)

だが、表情には出していないと思う

オレは車に乗り込んだ
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ