サモン小説
□sheded tears
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いつも笑顔で
いつも自信満々で
…でも、
いつも悲しんでた。
無理に笑ってた。
何だか翳があった。
やっぱり、痕は消えなかった。
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あの日
サナレは拐われた。
扉を開く鍵として。
―剣の聖霊
パリスタパリスに認められた者
印を身体に宿した者―
ウレクサさんは
そう言っていた。
悔やむように、
吐き捨てるように、
顔を歪めて
そう言った。
あぁ、
またか。
あの日の痕は、
また、大切な人を苦しめるんだ…。
サナレは炎聖に力を欲した。
トーナメントで優勝するために
僕に勝つために。
いつだったか、
サナレはこう漏した
『誰かに助けられて喜ぶのは、一人で立てない弱い女だ』と。
だから自分は弱くなった、と呟いた。
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