サモン小説

□an everyday experience.
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「…あ」




ワイスタァン中央工城前の大通り。


地下迷宮での材料収集を済ませ、工房への道のりを歩いていたクリュウの目に見慣れた人物が写った。



一人は自分のライバル兼、親友であるヴァリラと、もう一人は自分と同じ銀色の髪を二つに束ねた双子の妹プラティだ。



その隣には犬のような小動物…もとい、彼女の護衛獣であるクッティが浮かんでいる。



きっと彼女も地下迷宮に潜りに行こうとしている最中なのだろう。

その小さな背中に不釣り合いな武器ケースが背負われている。





「…なに話してるんだろ。ね、ザンテック」


「☆■××…」





自分の護衛獣である機械兵士はウィーンとモーター音を立て“どうせいつものことだろう”というような表情を浮かべている(ように見える)。





事実、彼らが二人きりでいる時の会話はお決まりの内容で…。





「…近寄らない方が良いよね」


「☆★☆!!」





彼らの…というか、ヴァリラの切実な想いを知っているクリュウは、我関せず、と二人の存在を見なかったことにしようとした。




‥‥したのだが。







「…やっぱ気になる」





何と言ってもヴァリラの想い人は自分の可愛い妹。



兄としては複雑な心情が生まれ、よくないとは思いつつもアーチの柱に身を隠して二人の様子を窺うことにした。



そんな主人の姿にザンテックも我関せず、と言ったところか。



宙に浮いたまま寝てしまった。
(それにクリュウは器用だなぁと感心してしまう)



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