サモン小説

□an everyday experience.
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「…う〜ん…遠すぎて何言ってるのか分かんないや…」





クリュウの立っている位置は二人の表情を見ることができても、さすがに声まで聞き取ることはできない。




もっと近くに寄りたいという衝動に駆られるが、これ以上近付けばヴァリラの逆鱗に触れる可能性が高くなってしまう。





仕方がないので…







「やぁプラティ、君は今日も美しいねアッハッハ(声色変え)」


「あらイヤだわヴァリラったら。
それより私に何か用?(声色高め)」


「あぁ、実はこんなモノが手に入ってね(声色変え)」


「まぁ、これはチケット?私にくれるの?(声色高め)」


「もちろん、君のために用意したんだからね(声色変え)」


「本当に?嬉しいわヴァリラ!
ところでこのチケット二枚あるんだけど…(声色高め)」


「一枚は君の分、もう一枚は僕の分さ。
もしよかったら君をエスコートさせてもらえないかい?(声色変え)」






…それぞれの動きに合ったセリフを付け(一人二役のアフレコをし)て状況判断をすることにした。




…かなりキャラ設定を無視しているがソレは御愛嬌ということで。





端から見れば今のクリュウはすごく奇妙な人物に見えるが、彼の実況中継はあながち間違っていない。




ヴァリラは頬を赤くしながら二枚のチケットを手渡し、それを受け取ったプラティは嬉しそうに笑みを浮かべている。





おぃおぃデートのお誘いかよ青いねぇ春だねぇ。チッ。





なんてクリュウが思ったかどうかはさておき、



問題はその後に起きた。


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