BL小説!※ほぼナマモノ
□なかなおり
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こんにちは。
僕は、慶ちゃんの膝こぞうに生まれたかさぶたぶたぶ。
誕生日は昨日。
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「りょーちゃん、おにごっこやろ、おにごっこー」
「やだ。今日はサッカー」
「おにごっこやりたいのーっ」
「やだ。鬼ごっこなんてかっこ悪い」
「おにごっこがいいのにー」
ドンっ!!
「いたいーっ。ち、でたぁ」
「慶ちゃんが腕引っ張るから」
「りょーちゃんにけられたぁ。いたい」
「膝擦りむいただけなのに、泣きすぎ」
「りょーちゃんなんて、だいっきらいっ」
「慶ちゃんなんて大嫌いっ」
「パパー、りょーちゃんにけられたぁ」
「慶。おかえり。どうした?そんなに泣いて」
「あのね、りょーちゃんにおにごっこしたいっていったらね、りょーちゃんサッカーがいいって。あのね、それでね、やだっていったらね、りょーちゃんがけったのー。ひざ、ちぃでたのー」
「慶は悪くない?」
「……りょーちゃんが、わるい…」
「本当にそう?全部亮が悪い?」
「……りょー…ちゃん、わるい…」
「慶は亮にイヤなこといっこもしなかった?」
「……りょーちゃん、の…て、いっぱいたたいた…ひっぱった…」
「じゃあ、慶も亮もおあいこ。明日会ったら亮にごめんなさいしておいで?」
「………う、ん…」
「りょーちゃんのばかぁ…」
ちゃぷちゃぷお風呂。
体育座りの慶ちゃん。
お湯から出ている膝こぞう。僕は濡れない。
…ポタポタ
あれ…濡れた?
慶ちゃん、泣いてる。
慶ちゃんの涙が僕にポタポタ落ちてくる。
涙の訳、知ってるよ。
今日、亮ちゃんに避けられちゃったんだよね。