BL小説!※ほぼナマモノ

□天然少年
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「あ…錦戸くんっ!動いちゃダメっ!!」
「おっ‥おん…」


増田に言われて体の動きを停止させてみるが……正直しんどい。


「まっ増田くん‥辛い、んだが」
「ちょっ!ちょっと待って!!」


椅子の上にあぐらかいて座ってた俺がちょっと立ち上がろうと、片足を伸ばした瞬間に止まれと言われ今に至る。
伸ばしたままの右足が少しずつ震え始めてるのをキミは知ってんのか?


「‥あ…」
「なんや?どないしてん?」
「……なんか着いてると思ったんだけど…ホクロか…。」


うーん…。
常々、こいつは天然やとは思ってたけど本間に酷いのが今やっと分かった。


「まっすーの‥えっちぃ〜〜っ」
「ちがッ!違うしッ!!違うからッ!?」


バスローブ着てて良かったと本気で思ったのは、増田が俺の伸ばしたままの右足に触ったから。
パンツ履いてしまっていたことは計算外やとは思うけど、こいつ‥指先で太股の内側を遠慮なく撫でやがった。


「なーんやっ、もう止めてまうんかよ‥」
「だっだってぇ!何か‥着いてると思ったから取ったげようと思っただけだしっ!!」
「えーっ。なんか手つきエロかったし‥亮ちゃん反応してまうやんっ♪」


どんどん増田の顔が真っ赤になってく様は何回見ても疼く。
この表情と態度が俺を焦らしてることをこいつは知らん。


「違うって‥言ってんじゃんっ」
「なにがぁ?」


真っ赤になって俯いていじいじシャツの裾を触る増田の側まで行ってやる。
近付いただけで、ビクッ‥と明らかに緊張しとる様子の増田を、押すように長椅子に座らせると驚いて俺を見上げた。


「なっ…なんで、すか‥…ッ!?」


増田が座る横にわざと太股がバスローブの裾から出るように、長椅子の上へ右足を置いて顔を近付けた。


「あー…ホンマに反応してもうたやん…どないしよぉ〜?」


はだけたバスローブの裾の奥に目をやりながら増田が更に赤くなる。
しゃーないやんっ…こいつ、可愛いことばっかするから反応してんもんっ。(アレがw)


「あ、のっ…俺べっ別にッ‥そんな」
「なんやったら裸なるから、他になんも着いてへんか見てくれる?遠慮なくぜーんぶっ触ってえぇし?」
「えッ!?いっいやですッ!!」
「何回も見てるやん‥」


1人でテンパり出した増田があまりにも可愛いから…。
そんなお前にちょっと止めを刺してやろうか?


「俺の裸も、ヤってる時の顔も‥なんもかんも、お前が一番よぉ知っとるやろが?ちゃう?」


例えるなら、頭の上から湯気がゆらゆら上る感じの増田。


「…しっ、知って、る‥けどぉ…」
「せやろ?やったら今更恥ずかしがらんでえぇやんけ‥誰も居らんし?」


まぁ、こいつが渋る理由も分かった上で言うてんやけど。
いくら今、この場に誰も居てへんくて俺とこいつだけやったとしても…いつメンバーが楽屋に入ってくるか分からんしな。


「‥嘘や、イジめて悪かったな?」
「えっ………あ、いや…イジめて、たんだ‥やっぱり?」


仕方ないから、今日はこの辺で勘弁しといたる。
俺の言葉に安心したんか、なんや複雑な表情してる増田はホンマに可愛いし…もしかして期待しとったんちゃうか?と勘違いさせられる。


「イジめてたなぁ‥…お前が可愛い反応ばっかするから」
「にっ錦戸くんッ」
「照れんなよ…ん?」


そっ‥と離れようとしたら、急に手を掴まれた。


「‥ぉっ…お願い、ある」
「なんで片言やねん」
「…………………………」
「なんやて?聞こえへんけどぉ?」


俺の手を掴んだまま真っ赤になって俯いた増田が、小さい声でボソボソ喋るからわざと冷たく言うてみる。


「ぁ…あのっ…‥きっ…………キス‥して、よ‥っ」


あら…。
予想外な言葉に唖然となる俺を他所に、増田は必死に言い訳みたいな言葉を幾つも並べ始める。
俺が悪いとか、側に居たいとか、ドキドキするとか……可愛いすぎるやろ。


「キスしたいん?」
「し…たい」
「ほんなら、ちょっとだけリクエスト応えてくれたらしたる」
「えっ…‥なっ、なに??」


濁ることを知らぬ綺麗な、でも不安に満ちた瞳で俺を見上げる。
もう少しで唇が触れる距離まで近付いてみると、瞬殺なくらい増田の体がこわばるのを感じれる。


「‥名前呼んで、ちゃんとチューしてって言うてや?」


間近にある増田の顔が更に赤くなって、俺の心を奪ってしまう。
俺もお前と…キスしたい。


「りょっ…」
「ちゃんと、はっきり言うてや?」
「ッ…りょ、ぅ‥キス…してぇ?」
「もっかい言うて?」
「キス…してよっ‥…亮」


潤んで照明でキラキラした瞳で俺の名前を呼ぶお前に、体の奥からめらめらと熱い感情が沸き立つ。
俺が我慢してんの知ってんやろか?

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