春色の軌跡

□25 死亡フラグは嫌
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「へーこりゃこりゃ。霧隠れの抜け忍、桃地再不斬(ザブザ)君じゃないですか」
カカシさんでも知っているレベルの抜け忍なのか……。それとも抜け忍全員頭に入っているのかな。

張り切っているナルトは再不斬に襲いかかろうとするも、カカシさんがそれを止めた。
「邪魔だ。下がってろお前ら。こいつはさっきの奴らとはケタが違う」
実戦経験の浅いナルトはまだ、相手の力量を測ることが難しいんだろうな。……いや、ナルトなら分かっていても、突っ込みそう。
サスケは再不斬の強さを感じ取ったのか、少し汗を垂らして慎重になっている。春野さんは、いつもどおりおどおどしていてとても不安そうだが、タズナさんを意識しているあたり、さすが使命感の強い子だと思う。ナルトとサスケよりも、任務のことをちゃんと考えている。

「写輪眼のカカシと見受ける……悪いが、じじいを渡してもらおうか」
写輪眼という言葉に、サスケが反応した。写輪眼は、うちは一族の血継限界だもんね。カカシさんって何者なんだろう。
「卍の陣だ。タズナさんを守れ……。お前たちは戦いに加わるな。それがここでのチームワークだ」
私達が手を出して足手まといになるよりも、カカシさんがメインで戦って、私達はタズナさんに被害が及ばないように護衛したほうがいい。敵も再不斬1人だとは限らないし。

「再不斬まずは……オレと戦え」
そう言って、カカシさんは普段隠していた左目を見せた。目が赤く染まり、写輪眼が発動されている。

「ほーーー噂に聞く写輪眼を早速見れるとは。光栄だね」
写輪眼って、他国でも有名なんだ。
「さっきからシャリンガンシャリンガンってなんだそれ!」
「写輪眼、いわゆる瞳術の使い手は、すべての幻・体・忍術を瞬時に見通し跳ね返してしまう能力を持つという。写輪眼とは、その瞳術使いが特有に備え持つ瞳の種類の1つ。……しかし、写輪眼の持つ能力はそれだけじゃない」
「クク……ご名答。ただそれだけじゃない。それ以上に怖いのは、その目で相手の技を見極めコピーしてしまうことだ」
疑問を持つナルトに、サスケと再不斬が解説を入れた。……みんな、お話し好きだね。この隙に攻撃したい。避けられるだろうけど。

「オレ達が霧隠れの暗殺部隊にいた頃、携帯していた手配書にお前の情報が載ってたぜ。それにはこうも記されていた。千以上の術をコピーした男……コピー忍者のカカシ」
カカシさんも他国で有名なのね……。
「さてと……お話はこれぐらいにしとこーぜ。オレはそこのじじいをさっさと殺んなくちゃならねぇ。つっても……カカシ、お前を倒さなくちゃならねーようだな」
再不斬は川の上に移動し、全身のチャクラを練り上げた。川の上に立っているのは、足の裏にチャクラを置いているんだろうな。

「忍法……霧隠れの術」
再不斬は姿を消し、あたりに霧が充満し始めた。
「消えた!?」
「まずはオレを消しに来るだろうが……。桃地再不斬、こいつは霧隠れの暗部で、無音殺人術(サイレントキリング)の達人として知られた男だ」
暗部なんだ……。え、強そう……。イタチさんやシダレさんも暗部だったよね?あれ、私勝てるきしないぞ。や、でもカカシさんも暗部だっけか。霧隠れと木の葉の里では、同じ暗部といっても力に差があるのかは知らないけど。木の葉の里がある火の国も、霧隠れの里がある水の国も、どちらも五大国の1つだから、実力的には拮抗してそうな気もする。……ということは、再不斬はイタチさん達ぐらい強いってことになるのか……??いや、イタチさんは暗部の中でも飛び抜けてすごい人だろうとは思うけど。
え、、、、やばくね??私、生き残れる??
原作通りなら原作組は生き残るから、私はまじで何もしないほうが正解……?

「気がついたらあの世だった、なんてことになりかねない。オレも写輪眼を全てうまく使いこなせるわけじゃない……。お前たちも気を抜くな!」
なんで先生怖がらせるようにいうかな……!!え、待って、私も久しぶりに緊張してきた。
イタチさんやシダレさんに立ち向かったときも、殺されるかもとは思っていたけど、戦闘中、緊張はしなかった。
でも、いまはすごく緊張している。命のやり取りが怖いとかではなく、多分、今は私1人だけの状況ではないから。自分の行動に責任が生まれる。自分1人だったら、どういう結果になっても良かったが、みんなに迷惑を、原作に変な影響を与えるわけにはいかない。

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