春色の軌跡

□23 演習の答と仲間
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前世の自分(今よりも成長した姿)に变化し、シダレさんから譲り受けた父の形見を抜刀した。そしてそのまま、カカシさんに斬りかかる。

どの角度で打ち込んでも、カカシさんはクナイでそれを受け止めた。いや、受け流した。クナイよりも刀のほうが重いので、普通に受け止めると力負けしちゃうもんねぇ。
天使化はしていない(羽は出していない)が、エクスフィアは常時左腕に装着しているので、私もなかなか怪力だし。

自分で言うのもあれだけど、それなりの速度で連撃しているはずなのに、カカシさんは受け流すのに良い角度を見極めて全て軽々と受け流しているので、本当にすごい。クナイのほうが軽くて小さいので小回りは効くけれども、それにしてもさすがだなぁ。もうちょい苦戦してほしい。忍者ってすごい。
……この世界で生き残れるかなぁ。


「……すごい剣術だね」
「そりゃどう……もっ!」
はたけさんの足元の地面を隆起させた。グレイブ、土系の初級魔術だ。
先程カカシさんが土遁を使っていたから、このくらいの魔術なら使用しても大丈夫よね!

私が忍術(本当は魔術だけど)を使えることが意外だったのか、わざと引っかかってくれているのかはわからないが、足元をもたつかせたはたけさん。その隙を狙い、隆起させた土ごと斬り上げた。剣に魔力を通さなくても、このくらいの土塊なら力任せで斬れるが、刃こぼれすると嫌なので、風のマナを刀に宿して切れ味を上げた。

隆起させた土で死角にしていたにもかかわらず、その攻撃はかわされてしまった。そして、一度体制を整えようとしたのか、カカシさんは私と距離を置いた。

「……こりゃ、参ったね。この歳でこれだけの剣技に加え、土遁を使えるっていうのにも驚いたけれど……。さらに、風の性質変化と形態変化もできるだなんて。しかし、それよりも……木乃花家は、印を結ばずに術を使えるのかい?」

「……指で結びような印はありません……が、その代わり、言葉で術を結びます。威力は落ちますが、今回は省略して発動しました」

「へぇ……そんなことができるのね。全力で発動した術も見てみたいけどーー、時間だ。」

アラームの音が鳴り響いた。12時。演習終了だ。

「終わっちゃいましたねぇ」
剣を鞘に収め、变化を解いた。
「……全然残念がってないね。ーー受かるつもりあった?」
「ありましたよ」
成り行きに任せてたけど。
「その割には、熱意というか……真剣みを感じられなかったけどなぁ……」

「それは……よく、言われます」



集合場所に戻れば、鈴も取れていないのに、ルールを破ってお弁当を食べようとしたナルトがいたので、カカシさんによって木に縄で括り付けられました。

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