春色の軌跡

□21 班員と担当上忍
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「今日から君達はめでたく一人前の忍者になったわけだが……しかし、まだまだ新米の下忍。本当に大変なのはこれからだ!」
さっきのナルト達のアクシデントって、漫画に記載されてたっけなぁ。とぼんやり考えながら、イルカ先生の合格者への熱いエールを聞き流していた。

「えー、これからの君たちには里から任務が与えられるわけだが、今後は3人1組の班を作って、各班ごとに1人ずつ上忍の先生が付く。その先生の指導のもと任務をこなしていくことになる」
下忍の任務って、どのくらい忙しいのかなぁ。そんなにお金に困ってないし、ゆるゆる暮らしたいなぁ。

「班は力のバランスが均等になるようこっちで決めた」
「「えー!!」」
まぁ自由に組めるわけはないだろうなぁ。
一緒の班になれたらいいねー!って、ヒナタと笑いあった。私は、ナルトとサスケと春野さんの3人は同じ班だって知ってるけど、他の同級生は誰がチームを組んでいたのか全く知らない。そもそも、漫画に出ているキャラなのかどうかも知らない。

1班から順番に名前が呼ばれていった。
まだかなまだかな。

「じゃ、次7班。春野サクラ、うずまきナルト……」
ナルトが一緒だと知って春野さんはがっくりと肩を落とし、一方でナルトは大きくガッツポーズをした。
「それと……うちはサスケ」
しかし今度はナルトが肩を落とし、春野さんがガッツポーズを。さっきから真逆の反応をしているのが面白い。感情豊かだなぁ。

「あと、木乃花ヤエ#。この班は人数の関係上、4人1組だ。」
「え」

は???私??え……まじで……?主人公達と同じ班になるの??
え……やだ。危険な目に合いそう。

「イルカ先生!!よりによって優秀なこの俺が!なんでコイツと同じ班なんだってばよ!!」
「サスケは卒業生27名中、1番の成績で卒業。ナルト……お前はドベ!いいか!班の力を均等にすると、しぜーんとこうなるんだよ!」
イルカ先生、相変わらずはっきりと言うなぁ……。まぁ、そういうところが先生のいいとこなんだけどね!

「フン……。せいぜい俺の足引っ張ってくれるなよ。ドベ!」
「何だとコラァ!!」
「いい加減にしなさいよナルト!!」
君達仲良いね……。すでに出来上がっているグループに無理やり組み込まされた感がする。なんで、原作組にぶちこまれたんだろ……。私がイレギュラーだから……?
うまくやっていけるかな……。

「が、頑張ってねヤエ……!」
「ヒナタに変わってあげたい……」
遠い目をしていた私を、ヒナタが励ましてくれた。
ナルトがいるなら、ヒナタと交代したいなぁ。でも、ナルトの春野さんへの気持ちをむざむざと見てしまいそうだから辛くなっちゃうよね。
ヒナタは、次の第8班に呼ばれた。

サスケがトップの成績で、ナルトがドベ。
春野さんは恐らく、頭脳型。勉強の成績は良いが、体術や手裏剣術などの成績は平均以下なんだと思う。総合して、合格者の中での平均、もしくは平均以上の春野さん。
私は……なんだろう。成績にムラがあるから、平均扱いかな?
それか、サスケとナルトって性格的にも出生にも癖がある問題児な気がするので、問題児を集めた班なのか。里抜けした兄を持つ私も問題児だ。

まぁ考えてもよくわからないし、第7班として、これから頑張って……いかなきゃいけないのかぁ……。
まさか、主役3人と同じ班になるとは思わなかったよ……。モブキャラと一緒で良かったのに。誰がモブか知らないけど……。というか、ヒナタと一緒が良かった。

「じゃ、みんな、午後から上忍の先生たちを紹介するから。それまで解散!」

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