春色の軌跡

□21 班員と担当上忍
1ページ/3ページ


合格者説明会。
いつも通り、動きやすい袴を着て、朝作ったお弁当を持って、アカデミーへ……あ。
「額当て、忘れてた」
忍としての証である、木の葉の里の額当て。これをおでこに装着した。……なんか、邪魔だな。おでこ蒸れそう。
やっぱり腕に巻くだけでいっか。



「おはよヒナタ!」
「あ、おはよう、ヤエ」
ヒナタは額当てを首元にさげてるや。教室にいる生徒の多くはおでこに着けてるけど、全員ではない。うん。好きなところに着けていいよね!

「あれ?ナルト!なんでお前がここにいんだよ!今日は合格者だけの説明会だぜ」
「お前さお前さ、この額当てが目に入んねーのかよっ!」
ふふ。ナルトも無事、下忍に合格したみたい。良かった良かった。

ナルトを見ていると、春野さんがナルトに近づいてきた。
「ナルトどけ!私はあんたの向こう側に座りたいのよ!」
しゃーんなろー!って、ナルトを威嚇する春野さん。そんなに会話をしたことはないが、普段は優しくて可愛い女の子。……なんだけど、ナルトにはなぜか当たりが強い。

この部屋は、いくつもの長い机が並んでいる。少し空間をあけたナルトの隣には、サスケがいた。春野さん、サスケのそばに座りたいのか。サスケってば相変わらず人気者だなぁ。

ナルトを押しのけてサスケの隣に座った春野さん。それを快く思わないナルトは、机に土足で上がってサスケの目の前で座り込み、睨みを効かせていた。

顔近すぎて笑いそうになる。
睨まれながらも顔を背けないサスケは負けず嫌いだなぁ。

「あっ」

ナルトの傍に居た男の子が、ナルトにぶつかった。その拍子にナルトはサスケに、ナルトの唇がサスケの唇に、あっ。

「ヒナタ見ちゃダメ!」
急いでヒナタの視界を掌で覆った、遅かったようだ。
「な、な、ナルトくんが……」
私にとってははめちゃくちゃ笑い飛ばしたくなる光景だが、ナルトが大好きなヒナタには衝撃が強いだろう……!

「てめ……ナルト!殺すぞ!!」
「ぐぉぉぉ口が腐るうぅう〜!!!!」
オエーッ!と喉に手を当てる2人。
衝撃を受けたのはヒナタだけではなく、春野さんもだったようで、怒った彼女はナルトを数発殴ってしまった。

みんな、若いなぁ……。青春してるね!

.
次へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ