春色の軌跡

□番外編 分家の従兄妹と
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※時間軸は5〜6話あたりですが、8話のネタバレ含みます

私が3歳になる頃には、家の行事によく顔を出すようになった。といっても、巫女の仕事はカスミさんがしているので、私は特にすることがない。巫女の仕事とは、祭祀を執り行う……神様や一族を祀って神楽や祝詞を奏上することや、一族で議題に沿って話し合う(会合)時の議長を執り行うことである。

祭祀時は、見ているだけの時もあるが、場合によっては私も補佐的な仕事を手伝ったりする。祭祀に必要は道具(鈴や扇、幣)や、神饌(神様のご飯)を用意してカスミさんに渡したり。
ま、神さんは食事を必要としないし、そもそも神事に神さんが現れることなどないらしいが。

祭祀(神事)を行う社殿は、本殿の一族なら誰でも入れる場所で行っているからなぁ。神さんが居る場所はそのさらに奥の方にあるこじんまりとした建物である。

そして、会合は、カスミさんと一族の長老や大人たちが議論するので、私のような子供は参加しない。カスミさんもまだ13歳だけど、一族の当主だからなぁ。シダレさんもたまに参加してるみたいだけど、私はただひたすら終わるのを待っている。暇だ。
ちなみに、前に一度参加しようと部屋に入ろうとしたら、長老にあやされてお菓子を持たされて外に出されてしまった。いくら神子といえど、3歳児の扱いをされてしまった。

一族の大人たちは、普段は神子様神子様って私のこと特別扱いするから、ちょっと苦手である。

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