春色の軌跡

□20 ついに卒業する
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「ふぁ……」
なんだか騒がしいなぁ。
「あ、ヤエ、おはよう」
「おはよう〜ヒナタ。何かあったの?」
なぜか皆がぞろぞろと教室から出ていっている。
「えっとね、ナルト君が、顔岩に落書きしてるみたいなの……」
へぇ……。授業抜け出してイタズラかぁ。ナルトらしいなぁ。まぁもうアカデミーも終わるしな〜。最後ぐらい楽しくていいかもね。私も最後ぐらいちゃんと授業受ければよかったか。ガッツリ寝てた。

「……見に行こっか」
「えっ」
「行きたいでしょ?」
「え、」
「ほら、行こっ!」

ヒナタの腕を引っ張って、外へと連れ出した。ここ数年で、気づけばヒナタはナルトに恋をしていた。明るくて真っ直ぐで、自分を決して曲げることのないナルトに惹かれたのだろう。家族がおらず、里の大人たちからも憎まれているのに、本当にすごいと思う。
私も、漫画の主人公……とはなるべく思わずに、ナルトと接するようになった。今ではナルトを含め、クラスメイトとそれなりに交友がある。サスケとは相変わらずだけれども。


顔岩から連れ戻されたナルトは、縄に縛られた状態で、教室の前で説教を受けることとなった。顔岩ってのは、歴代の火影達の顔が岩に掘られていて、この里の歴史であり誇りであり象徴だ。
火影の顔岩に落書きをするなんて、里への大層な侮辱行為だ。日本で例えるなら、国旗に落書きされた、みたいな。まぁナルトはそこまで考えてないだろうけど……。
いつも、俺は火影になる!って言ってるし。火影や里を侮辱しているのではなくて、こんなことしちゃう俺ってばすげーしょ!っていう気持ちからのイタズラだろう。

「明日は卒業試験だぞ!外でいたずらしてる場合じゃないだろバカヤロー!!」
「はいはい」
「今日の授業は変化の術の復習テストだ!全員並べー!!先生そっくりに化けること!」
ナルトの態度に怒ったイルカ先生は、クラス全員にテストを課した。
いまさら変化の術か……。

1人ずつ順番に変化の術をしていく中で、ナルトの番がやってきた。
「変化!」
ナルトはイルカ先生に……ではなく、全裸でナイスバディな女性に変身していた。
おぉ……目のやり場に困る。すごい美人でボンキュッボンだ……エロい。ナルト、女性の全裸見たことあるのかな……。エロ本とかかな……。そういうお年頃なのかな……。
「ギャハハ!名付けておいろけの術!」
ナルトの変化を見たイルカ先生は、鼻血を出して倒れてしまった。イルカ先生……。

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