春色の軌跡
□07 蓄える知識と力
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その考えに至ったら、今まで気にかかっては居たけど、気のせいだと流していた問題が解決した。
私の顔は、家族の誰とも似ていない。
髪色が違うからじゃなく、顔の造形が根本的に違う。家族は彫りの深い、西洋風の顔だ。でも私は、どう見ても……東洋系の顔だ。
それに、今の私は五歳なわけだけど、この五歳児の顔には何だか見覚えがあった。――前世の私だ。
前世で五歳だった時の顔はもう覚えてないけど、大人の姿は覚えている。うん、似てる。
と言うことは私は、これから前世の自分をなぞって成長することになる。
どうせなら美女が良かったよ!と思うよりもまず――気持ち悪い。
転生というだけで不可思議なものだったけど、さらにこんなことも判明して、自分の体を奇妙に思わない人間などどこにいるのか。
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