春色の軌跡

□25 死亡フラグは嫌
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「どんどん霧が濃くなっていくってばよ!」
「8箇所。咽頭、脊柱、肺、肝臓、経静脈に、鎖骨下動脈、腎臓、心臓……さて、どの急所がいい?クク……」
居場所が特定されないように移動しながら、あらゆる方向からかたりかけてくる再不斬。みんなを怖がらせようとしている。性格わるいぞ!

カカシさんが印を結ぶ用意をし、殺気を飛ばす。濃い霧の中であっても、その殺気に当てられたサスケの顔が青く、手が震えていることが分かった。
「サスケ……安心しろ。お前たちはオレが死んでも守ってやる。オレの仲間は、絶対殺させやしなーいよ!」
「それはどうかな……?終わりだ」
やたら臭い台詞で再不斬の気を引いたカカシさんは……いや、暖かい言葉でみんなを和ませたカカシさんは、攻撃を仕掛けてきた再不斬にクナイを刺してカウンターを食らわせた。
私は、タズナさんの体を引っ張って一緒に再不斬の攻撃を避けた。ナルト達3人は、カカシさんがみんなの体を倒して避けさせていた。多分私がぼーっと突っ立っていても、私とタズナさんも逃していただろうな。カカシさんの負担をなるべく減らそうかなとは思ったけど、私は全員を器用に飛ばして守れるほど速く行動できないや。
魔術で再不斬を吹っ飛ばすとかならできるけど。いや、避けられそうだな。私の攻撃は高火力だと思うが、大振りなため忍者に当てるのは難しい。

クナイが刺さったと思った再不斬は水となって消え、カカシさんの背後に現れた。水分身の術?
再不斬はカカシさんを切りつけた……と思ったら、カカシさんも水分身の術で消えた。……今の間にコピーした……?もとから知っていた?どちらにせよ、再不斬には動揺を与えたに違いない。
「動くな……終わりだ」
再不斬の背後を取り、首筋にクナイを当てるカカシ先生。
「す……すっげー!!」
ナルトも春野さんも感動している。これで終わり……だったら楽なんだけどなぁ。
「ククク……終わりだと。分かってねーな。猿真似ごときじゃあ、このオレ様は倒せない。絶対にな。……しかし、やるじゃねーか。水分身の方にいかにもらしい台詞を喋らせることで、オレの注意をそっちに引きつけ、本体は霧隠れで隠れてオレの動きをうかがってたって寸法か」
……なるほど、さっきの臭い台詞にはそういう意図があったのね。でもそれはきっと再不斬も同じ。
「けどな、オレもそう甘かぁねーんだよ」
カカシさんが抑えていた再不斬が消え、カカシさんの背後に再不斬が現れた。
やっぱりね!水分身だらけでもうよくわからん。

再不斬は巨大な太刀で斬りかかるも、カカシさんはそれを避け、再不斬の蹴りを利用して、川の方へ後退して再不斬と距離を置いた。
……川、私達と反対の方向にあるから、怖いんだけど。再不斬こっちに来たら、カカシさん助けに入れないよね……。

「水牢の術!」
しかし、カカシさんは水の塊に囚われてしまった。
「ククク……ハマったな。脱出不可能の特性牢獄だ!お前に動かれるとやりにくいんでな」
……このカカシさんも、分身だったりしない……よね??
「さてと、カカシ、お前との決着は後回しだ。まずはアイツラを片付けさせてもらう」
そう言って再不斬は、水分身の術で作った自分を、私達の眼の前に置いた。本体は、カカシさんを閉じ込めている水球に腕を突っ込んだままだ。水牢の術の発動中は、移動できないのか……。
……本体じゃなくて水分身が向かってくるのは良かったけど、えええ……。原作このあとどうなるんだっけか……。そもそも、原作の流れ通りになってる?私達全員に死亡フラグ立ってない?大丈夫?

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