□鬼の慈悲
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地下で
出会った君達が
闇に堕ちる。

激しく求めていた。

鬼の月が
話していた
虚ろの夢物語。

求めていたのは
指に触れたぬくもりと
目線だけだった。

衝動もこえて
気にもせずにいた。

何もかも忘れて
それだけを願った。

蜃気楼を
見つめては
語りかける
闇にほほんでいた。

静けさが
わたしをだます。
黙っていた
光が
怖くて仕方なかった。

見ていけない
闇を
求めて
消えた二人は
わたしを思い出すのだろうか。

居たこと
あなたは忘れていないの
だろうか。

何時でも
わたしの答えに
怯えて生きているのだろうか。

存在を消したいと
価値を投げだして

慈悲に嘆いた。

いらないと。

魂など壊れろと。

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