□アリスの小部屋
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始まり。










悲しい人形劇を始めましょう。

穀雨の空から降る歌声。
神の歌なのか。


それとも、

人形達の泣き声か。

古い古い、歌を歌う人形。
操り人形。
悲しみを背負うピエロ。
愛を、欲しがる人形。

涙で前が見えない君は、歌を歌い。
透き通る君の色。白く白くしろい君の詩。

糸がないのに、動ける君は踊り。


玉に乗れないのに、乗るあなたは、いつも、ハンカチを持っているね。
人形達の涙を隠すため。

愛を求め舞台に上がる君は、1番輝いてる。
愛しい人なためなら。
ありもしないものを求め。
躯に温もりを求め。
演じる君は、美しい。


静かに。

煩い君は消えてしまう。

ここは悲しみの劇場。

闇を闇をと願うなら。
光を下さいと思うなら。

死にたいなら、生きたいなら。
そんな矛盾を感じたら。

病んでしまいそうなら。

夢が壊れたら。

かなしみにひたりに。
私達にあいに。


おいでよ。

目は朱がり、黄色く闇を見つめる。
青もあれば、白もある。

静かに、していたら、
聞こえて来るよ、

人形達の泣き声が。
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