迷子の体2

□53再会part2
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今まであったことを順を追って説明すると
日向先輩は黙って話を聞いてくれていた。







「黒子達もいるのか…。まあ、そうだろうな。俺が花空を探しに行かせたからな。」




「あの先輩は何故ここに…?」





「あぁ、黒子たちの帰りが遅かったからリコと伊月に他の奴らを任せて俺だけ会場に戻ったら、変な奴に会ってな。で、気づいたらここにいたわけだ。」




「すみません……私のせいで巻き込んでしまって」




元はといえば、私が会場に忘れ物したせいで
みんなを巻き込んでしまった。





「だアホ。後輩の面倒を見るのは先輩の役目だっつーの。」



頭を軽く小突かれる。





「日向先輩…」




「よく頑張ったな。」




今度はぽんぽん、と頭を軽く撫でられ
私の中にあった罪悪感が少しずつなくなっていく。


宮地先輩もそうだが、日向先輩もどうしてこんなにも優しくしてくれるのだろうか。



先輩たちの優しさに感動していると
青いジャージの人が私の方に近づく



確か、海常の主将の笠松さんだ。




「お、おい」




「はい?」




「黄瀬は…無事なのか?」



ちらちら、と視線を外しながら話す


前に黄瀬くんに、ウチの主将はシャイなんスよって話を聞いたことがある。





「黄瀬くんは無事ですよ。青峰くん達と一緒にいます。」





「そ、そうか…」




「ねぇ、征ちゃんとは会ったかしら?」



にこ、と微笑みを浮かべながら話す美人さん
ジャージからして洛山高校の人だ。



「はい、途中から分かれましたが無事だと思います。」




「そう、ありがとう。私は実渕レオっていうのよろしくね。咲ちゃん」




「あれ、名前…?」




「あぁ。征ちゃんからよく話を聞くの」


先ほどと同様、美しい笑顔を向けられる。

赤司くんが私の話を?


一体、どんな話をしているのか実渕先輩に聞こうと口を開くと廊下からドンッと大きな音がした。



「何の音だ……っ!」



通路の方に顔を向けると
今度は、ダダダっと足音が聞こえる。




「「「咲!(っち!)(さん!)」」」


ドアが勢いよく開き
黄瀬くんや青峰くん、黒子くん達が雪崩れ込むように部屋に入ってきた。



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