迷子の体

□252Fフロア
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二手にわかれた後
階段をゆっくり降りていき
2Fに向かう。



「薄暗い…」



「何か気味が悪いっス」



「少し冷えているのだよ」



階段は薄暗いので
目があまりよろしくない
緑間くんと黄瀬くんと私の3人組はペンライトで足場を照らしながら歩く



「お前達引っ付きすぎるのだよ!」



「そんなこと言ったって、よく見えないし、何か怖いじゃないっスか!」



「私も黄瀬くんに同感!」




ペンライトを持っている緑間くんの両脇にみっちりとくっつきながら歩く。


こういう怖い時って
人肌恋しくなるよね。




「真ちゃん、モテ期だね……プッ」



「高尾……覚えておけ」




「そうカッ、かすんなって」


階段を緊張感なく降り
2Fフロアの踊り場につく。


「ここだね。」




「何かいる可能性は高いのだよ。ここからは、慎重に行くぞ。」



「てか、絶対いるっスよ…」


げんなり、とした顔で言う黄瀬くん

2Fフロアでは、上半身と手だけの化け物に出会った。

もしかしたら、まだいるかもしれない。



「てか、黄瀬って地図持ってたよな?先に、目的地決めた方が良くね?」



「そうっスね」


パンフレットを開き
2Fフロアの地図を見る。


「何か使えそうな物がありそうな所って何処かな…」



「やっぱり、あの…えー、鏡の男?に関係あるものとか?」



「さっぱりわかんないっス」



「適当に決めればよくねーか?考えてもわからねー事はわかんねーよ。」



「あてもなく探すと、化け物に会う確率が高くなるのだよ。行き先を決めて、出きるだけ部屋の外にいる時間を減らした方がいい。」

眼鏡の縁をくい、と上げて
言う緑間くんの意見は正しい

しかし、鏡の男に関係あるものとは一体なんだろう…。










「あ」



「どうしたっスか?」



「鏡だよ、鏡」



「鏡がどうした?」


?マークを浮かべる4人
高尾くんと緑間くんと青峰くんは知らなくて当然だが



「黄瀬くん、1Fの受付に行った時に鏡で女の人と男の人を見たって言ったの覚えてる?」




「あぁ!あれっスね」




「他の鏡を見たら、もしかしたらまた何か見えるかもしれない。」



「じゃあ、鏡を探しに行ったら何か手がかりあるかもしれないってワケね」



高尾くんが納得し
黄瀬くんが持っている地図を見て


「とりま、トイレと更衣室ならありそうだよね」



ここ、と指をさして
場所の確認をする。




「場所的にはここからなら更衣室がちけーな。」




「なら、そこに行こう。」




「いや、でも咲っち。男に手首を握られて怪我したじゃないっスか!?また、何かされたら…」



「そうなのか?だから、お前手首を手当てしてたのか」

じ、と手首を見てくる青峰くんの視線から逃れるため
手を後ろにする。



「大丈夫、大したことないから。それに、危なくなれば鏡をすぐに割れば大丈夫だよ!」


いくら、手首を掴まれていたとしても
鏡を割れば、さすがに男は出てこれないだろう。



「…危なくなりそうだったら、容赦なく割るからな」





「うん。」




とりあえず、渋々了承してくれたが
少しでも危なくなりそうであれば


すぐに鏡を割る


鏡を見るのは更衣室だけ


それ以降は3Fフロアのチームと合流した後に話し合いをして決める



という条件で付きで行うことになった。





行き先が決まり
非常階段の扉を青峰くんが持ち
いくぞ、と合図をして
ゆっくりと開けた。



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