365の御題 No.1〜40

□卒業
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――――――――――――注意
※名前変換無し
※短編(詰め過ぎて意味不)※曽良くんが微笑みすぎ←
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本当はあの時、

ただ

大好きだよ


って

言いたかっただけなんだ。






卒業







「曽良くん、

君もこの旅が終われば


一人前の俳人だよ。」




その日は
彼が旅立つ日だった。


1人、孤独の旅


彼の夢への道のりを
応援しているけれど、


恋人が、
何年も旅に出る事が
寂しくて、

胸が
張り裂けそうなくらいで

でも、行かないで
なんて言えない。




夢を追う彼のために
身を退く

そんな
健気な悲劇のヒロインなんかになりたくはない。



夢を捕まえて欲しい。

そばにいてほしい。



2つの思いは
同じ位強くて


どっちつかずの思いで

行かないで。
とも
いってらっしゃい。
とも

言えないままで…





最後の最後になって
叫びたいほど、
胸が痛いのに

言葉にならない。





「では、行ってきます。」






後ろ姿が
小さくなるのを見て


気が付くと
走りだしていた




「曽良くん!!」


くる、っと振り向いた彼は
止まらなくなった涙を見て
呆れたように
小さく微笑んだ


「どうしたんですか?

そんなに泣いて」


「だって…!
だって曽良くんと
もう

会えないなんて…」



「会えないなんて、
何故決め付けるんですか」

「だって、
何年もかかるって…」



ふ、
と吐く息と共に
笑みを浮かべる


「あなたが、
これから僕と同じように

旅に出て、
追いかけてくれば
いいじゃないですか」


「それには、何年も
かかっちゃうんじゃ…」


「それは
あなたの努力次第です。

芭蕉さんも、
頑張れば必ず
認めてくれるはずですから


いつまでも、
待っていますよ」



優しく頭を撫でられ、

今、
心の中に生まれた決意を
ギュッと握り締める



「すぐ、
追い付いてみせるから」


「ええ、
楽しみにしてます。」


再び
歩み始めようとする彼



「曽良くん!あの――…」
途中だった言葉を
優しいキスで止められる


「その言葉は、
また会う時まで
とっておきます。」


「………うん!

曽良くん、
…いってらっしゃい」









もう、後ろ姿を見ても
悲しくはないよ。


あなたを、
あなたの夢を
追い掛けるから。


その先で
待っていてくれるから。




精一杯頑張るから

私が、卒業できるまで

待っていてね








卒業 END

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