「hero」
「レニ〜!次あっち行こ〜!」
「うん。」
レニとアイリスは浅草に来ていた。
浅草の仲見世はやはり楽しいものだ。
「楽しいね♪」
「そうだね。(…気のせいかな、嫌な予感がする…。)」
レニは何かの気配を感じ取っていた。
ドウンッ!!
「きゃあぁぁぁ〜〜〜〜〜!!」
急に爆発が起こり、人々の悲鳴が聞こえてくる。
店が次々に倒壊していく。
「何?何があったの?」
「脇侍だ!」
怯えるアイリスをかばいながらレニが叫んだ。
「あっ!」
一体の脇侍が二人を見つけ、突進してきた。
脇侍が刃を振り下ろす。
「アイリス!!」
レニはアイリスをかばった。
上手く攻撃をかわした二人だったが、脇時の攻撃の衝撃でレニは脚を切った。
「痛ッ…!」
レニは倒れこんだ。
「レニ!?」
アイリスはレニに駆け寄った。
脇侍がまた近づいてくる。
「アイリス、逃げて!」
「やだ!レニを置いてなんか行けない!」
脇侍がまた刃を振り下ろした。
…が、アイリスが超能力でそれを受け止めた。
しかし、生身のアイリス一人では脇時の攻撃を止めるのには無理があった。
しかももう一体現れて、レニに攻撃を仕掛けようとした。
「(やられる…!)」
レニは目をつぶった。
ザンッ!!
「…え?」
二体の脇侍が一瞬にして爆発した。
そこには別の人型蒸気の姿があった。
白い光武……隊長だ。
『帝国華撃団、参上!!』
「レニ、アイリス、大丈夫か?」
光武から大神の声がする。
「お兄ちゃん!レニがケガしてるの!」
「そうか…。すぐに敵を殲滅するから二人は隠れていてくれ。」
大神はそう言い、戦場へ戻った。
大帝国劇場へ戻り、レニは手当てを受けていた。
「一応包帯をしておくけど、すぐに治ると思うわ。」
「かえでさん、ありがとう。」
「あ、でもあまり負担をかけない方がいいわ。」
「了解。」
そしてかえでは去っていった。
「レニ、大丈夫?」
アイリスが心配そうに眺めている。
「うん、今は痛みも引いているから。」
「ごめんね…。」
「アイリスのせいじゃないよ…。」
レニはほほ笑んだ。
「レニ!」
大神がレニのそばへ走ってきた。
「大丈夫かい?」
「うん。すぐ治るだろうけど、あまり負担をかけるなって。」
「そうか…。」
大神はあることを思いついた。
「レニ、今から何かするのかい?」
「ううん。お風呂にももう入ったし、今夜は早く寝ることにするよ。」
「そうか…。」
「あ、アイリスお風呂に入ってくるね!おやすみ、レニ!」
「おやすみ、アイリス…。」
アイリスは大神の考えていることに気づいたらしく、気をきかせてその場から去った。
「(ありがとう、アイリス。)…さぁ、レニ!」
「え?」
「部屋に戻るなら俺がおぶってくよ。」
「え!?」
レニは目を丸くして驚いた。
「乗って。」
大神は腰をかがめて背をレニの方へ向けた。
大神にしては大胆な行動だ。
「え…でも。」
レニは恥ずかしがった。
「いいから。」
「…うん。」
レニは大神の勢いに負けたようだ。
言われるままに大神の背に乗った。
大神はレニをおんぶして、レニの部屋へ向かった。
「隊長…。」
「何だい?レニ。」
「今日はありがとう、助けてくれて。」
「ははは、『大切な人』を守るのは当たり前だろう?」
「うん、そうだね。…隊長。」
「ん?」
大神は振り向いた。
そしてレニは大神の頬にキスをした。
「レ、レニ!?」
大神は顔が真っ赤になった。
「本当にありがとう。」

そして、大神はレニの部屋に入り、ベッドの前でレニを降ろした。
「おやすみ、レニ。」
「おやすみ、隊長。」
そう言葉を交わして大神は部屋を出た。
大神が部屋を出るとレニはベッドに横になった。
「(隊長の背中…、大きくて温かかった。)」
そう考えると、レニは顔を少し赤くした。
「(……今日は大変な一日だった。)」
今日の出来事をいろいろと思い返しながら、レニは眠りについた。
あとがき
何て言うか…前半、小説より実況??
懐かしいなァ脇侍。多分「新・青い鳥」の見すぎ(笑)
生身で戦ったらどーなるんだろ?
ってか、劇場内の時間の流れ早ッ!
え?いつ戻ってきたんだよ、いつ風呂入ったの?みたいな。
大神もレニも大胆になったもんだ(笑)
そーいえば。
背に「乗る」という表現は正しいのでしょうか…??
おんぶ??
まぁいいか。