「一騒動」



 今日は夏公演の最終日、舞台は観客の温かい声援と拍手で幕を閉じた。

「お疲れ様〜!」
 皆口々にそう言い、楽屋に入っていく。
 皆まだ声援と拍手を肌で感じているようだ。
「今日も楽しかったわ〜。ホンマ舞台ってあっという間に終わってしまうなぁ。」
「楽しい時は時間の流れを早く感じま〜すからね〜。」
「私たちも楽しんで、お客様にも楽しんでもらって…舞台って素晴しいですね。」
「でも、出番が少ないのだけはゴメンだよなぁ。」
 カンナの一言で場の雰囲気が盛り上がった。
「ねぇレニ〜、遊びに行こ〜!」
 着替え終わったアイリスがレニを誘う。
「うん、いいよ。」
 アイリスはレニを連れて外へ出て行った。
「アイリスは相変わらずね。」
 保護者のようなマリアが、ため息混じりに言った。
 元気なのはいいことだ。

 アイリスとレニは大帝国劇場の外にいた。
「アイリス、どこに行くの?」
「う〜んとね、アイリス、アイスクリーム食べたいの!」
「…それじゃあ、あそこに行こうか。」
 レニは辺りを見回し、お店を指差して言った。
「うん!」
 レニとアイリスは近くのお店に入った。
「アイスクリーム二つくださ〜い!」
 アイリスの元気の良さに店員は一瞬ひるんだ。(笑)
「バニラとねぇ…レニは?」
「…チョコレート。」
「かしこまりました。」

 二人はアイスクリーム片手に店を出た。
「レニのチョコレートもおいしそうだね。」
 レニのアイスクリームを覗き込みながらアイリスが言った。
「食べる?」
「いいの?じゃあ一口いただきま〜す!」
 アイリスはレニのアイスクリームをほおばった。
「おいしい!」
 レニとアイリスはしばらくアイスクリームを食べながら街を歩いていた。
 しばらくしてレニがふと立ち止まった。
「隊…長?」
「お兄ちゃん?どこ?あ…。」
 二人の視線の先に大神がいた。
 楽しそうに誰かと話しているようだ。
「隣にいるの…女の人?」
 アイリスがそう言った時、レニはアイスクリームを落とした。
「レ…レニ?」
 レニは目の前が真っ暗になり進行方向とは逆へ走り出した。


 レニは自室のベッドで横になっていた。
 時々アイリスがドア越しに呼びかけていたが、レニは返事をしなかった。
 レニには何も聞こえなかった。
「隊長は…ボクのこと大切な人だって言ってくれたのに…。」
 レニは天井を仰いでつぶやいた。
「隊…長。」
「レニ!!」
 ドア越しに大神が叫んだ。
 アイリスから、レニが部屋に閉じこもってしまったことを聞いた大神はレニを呼んだ。
「レニ、違うんだ!いや、女性と会っていたことは本当だが、決して彼女とかそういうことじゃない。あの人は雑誌の記者だから、取材を受けていたんだ。誤解を生んだのなら謝るよ、すまない。でも、俺の一番はレニだから。」
 大神は最後の部分を強調した。
「隊長…。」
「レニ…。」
「バカ。」
「え?」……ゴンッ☆
 ドアが勢いよく開き、大神の顔面にぶち当たった。
「ごめん、隊長…大丈夫?」
 レニは大神に駆け寄った。
 駆け寄ったレニに大神は手を伸ばし抱きしめた。
「絶対にキミを哀しませたりしないから。」
「隊長…。」
 レニは顔が赤くなった。

「あ〜、こんな所でメロドラマなんかしないでくださ〜い。」
「廊下のど真ん中はちょっとキツイで大神はん。」
「隊長、もっと場所を考えてください。」
「夏はただでさえ暑いのによぉ…マジかよ。」
「大神さん…大胆ですね。」
「良かったね、レ〜ニ♪」
 皆呆れ顔だがアイリスは嬉しそうだ。
「み、皆!?」
「……!」
 レニと大神は、二人とも顔を真っ赤にして離れた。

 その後いろいろ大神への非難があったが、レニには何も聞こえなかった。
 大神の言葉がずっとレニの頭から離れなかった。




 あとがき
謎の女性の件、マジで薔薇組オチにしようかと悩みました;;
てゆーか、そっちの方がいいのか?
だって大神さん苦しい言い訳だし…
ゴメンなさい、私の想像力はこんなもんなんデスよ;;
マンガにした方が書きやすいかもな〜。
そーいや、レニって「隊長」ばっかやね、いつも。

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