「どうして?」



「今日、織姫とマリアと煉瓦亭行ったんだって?」
 つい、不機嫌な声で詰問するように言ってしまった。
「ま、まぁね。台本のことで結構迷惑かけたからね。埋め合わせに。」
 ボクの髪をいじりながら(最近二人っきりの時の隊長の癖だ)ちょっと答えにくそうに隊長は言う。…答えにくそうな理由は分かっているけどつい咎めてしまう。
「それだけ?」
「それだけさ」
「ほんとに?」
「ほんとうに」
「こないだの紅蘭とカンナも?」
「ふたりは、舞台のセットの話の時だね」
「さくらとアイリスは?」
「あれは…花やしきの帰りかな?」
もういいかい、電気消すよ?そう言って、隊長はベットサイドのランプを消してボクを背中から抱くようにして眠る。こうすると安心するんだ、とは隊長の弁。…ボクも安心するからいいけど。どうせなら向き合った方がいいと思うのに…。そんなことを考えつつも、心のどこかで最近ずっと思っている事柄は残ったまま眠りについた。



「おはよう、レニ!」
「おはよう、アイリス。」
「今日のご飯は何だろなっ♪」
「オムレツとハムだったはずだよ。」
「オムレツ!?アイリス大好き!」
「よかったね、アイリス」
「うん、こないださくらとお兄ちゃんといった煉瓦亭のオムレツもおいしかったけど、帝劇のはもっとおいしいもん!」
「…そ、そう。じゃぁ、早く行こうか。」
「うん!」



……最近、花組のみんなと隊長が煉瓦亭に行くことが気になっている。隊長とはいろんなところに行っているけど、思い返してみると煉瓦亭には行ったことがない。帝劇の近くで二人で歩く(みんなの言うデート)ことがあまりないからかもしれない。帝国ホテルとか歌舞伎座、花やしき(デートなのだろうか?)、横浜とかは行くけど銀座をじっくり二人で歩いたことは少ない。せいぜい、買い出しに行くのに着いて行ったりするときくらいだ。
そのせいだろうか、最近になって『隊長と煉瓦亭に行く』という思いがボクの中で大きくなっていった。みんなは連れてってくれるのにボクは連れてってくれない。…特別扱いしてくれてるんだろうけど、仲間外れみたいでいやだよ、隊長。



「…煉瓦亭に行きたい」
「ど、どうしたんだいレニ?」
 乱れた掛け布団のしわを直してボクにかけながらも隊長は、答えてくれた。
「煉瓦亭に行きたい」
「れんがてい?」
「そう、煉瓦亭」
「なんでまた?」
 隊長には隠し事はしたくないから、ボクは最近の考えを洗いざらい話してみた。
「…というわけ。だから」
「煉瓦亭に行きたい、と」
「そう。だから行きたい」
そこまで言うと、いつの間にか隊長と正対させられて抱きしめられていた。
「ごめんよ」
「なにが?」
「レニがそんな風に思っていたなんて」
「気にしなくていい。僕は今のまで幸せだから」
「ほんとに?」
「うん、だってこうやって言えば隊長は答えてくれるもの」
「レニ…」
「隊長…」
抱きしめられたまま隊長にキスをされ、そのまま……



「支度は出来たかい?」
「待って、今口紅を…」
「どうせ減るからいいんじゃない?」
「もうっ、隊長っ!」
 今日は隊長と銀座をぶらぶらして煉瓦亭へ行く。花組のみんなは気を利かせたのか珍しくおとなしい。…どうせ今頃ドアに耳を付けているはずだ。
「おまたせ」
「じゃぁ、行こうか」
 何気ない日常に何気なく街を歩き何気ないお店でご飯を食べる、たまにはそんなデートもいいよね、と隊長と出した結論。こうやって二人で結論を出していけばもっと楽しくなれる気がする、そんな風な一日の始まりだった。




あとがき
お久しぶりです、天川です。
サイトのほうが、サーバーエラー&プロバイダ変更等の不手際により消えたままになってしまいました。ご挨拶が遅れて申し訳ないです。m(_ _)m
さて、ふとしたことから久々にドリームキャストでサクラ大戦2を始めてみました。(前回更新が2007年9月という驚き)確か、そのころもう一回1(私の場合は熱き血潮に)からやり直してみよう、ということで熱き→DC版2→DC版3→4そして行けたらVとやる予定でしたが、実生活の忙しさでつい忘れていた次第…。そして今日、無事に2を終わらせました!(もちろんヒロインはレニ!)いま、3をプレイしてます。(笑)
そんなこともあってか、この間急にこのネタが閃きまして、あれよあれよという間に書き上げていました。(苦笑)今回のテーマはズバリ『アダルティ』です。(爆)小生初めての、ベットシーンからのオープニングです。途中にまで出しちゃって、いいのでしょうか!?
次回の更新はいつになるのか、できるのかすらわかりませんが、今回はこのあたりで失礼します。それでは!

                       2008/10/13
                         肌寒くなってきた風を感じつつ
                                 天川 零

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