「キミの居場所とボクの居場所」



 暖かな午後、大神は捜していた。
 サロンに人影を確認した大神は、サロンを訪れた。
 そこにいたのはさくらだった。
「あ、さくらくん。レニ見なかったかい?」
 大神はサロンでくつろいでいたさくらに聞いた。
「レニですか?いえ、見てませんけど…。」
「そうか…、どこにいるんだろう…?」
 さくらの返答を聞き、大神はため息をつく。
「レニがどうかしたんですか?」
 大神の態度を見て、さくらが聞いた。
「あ、いや、ちょっと話があってね。」
 少し曖昧に口ごもった。
「そうなんですか。それじゃあレニを見かけたら、大神さんが捜していたって言っておきますね。」
「ああ、頼むよ。」
 サロンをさくらに頼み、大神は他の場所を捜すことにした。

 次に大神は中庭に足を運んでいた。
「うーん…、ここにもいないか。」
 中庭にレニの姿は見当たらなかった。
 いつもレニが座っているベンチに近づくと、フントが寄ってくる。
「フント…、今レニを捜しているんだ。どこにいるか知らないかい?」
「ワンッ!」
 フントは無邪気に答えた。
「……知ってるはずないか…。それじゃあまた捜してくるよ。」
 そう言って、大神は中庭を後にした。

「レニの部屋は留守だったし、プールにも風呂にもいなかった…。」
 さすが覗き魔の思考回路、「鍛錬室」はない(笑
 少し嫌な予感がした。
 どこを捜しても見つからない。
「まさか…帝劇の外に…?」
 レニが誰にも何も言わずに帝劇の外へ出るなんて考えにくい。
 しかし、帝劇内で見つからないのは事実だ。
 大神は外を捜す決意をした。

  ガタンッ

 大神が支配人室の前を通ろうとした時、何かが落ちる音が聞こえた。
「……支配人室から?」
 支配人室には誰もいるはずがない。
 現に自分が支配人で、しかも廊下にいる。
 不審に思いながらも大神はドアを開けた。
「あ……。」
 そこには数冊の本が机から落ちていた。
 落ちた本から机の方に目を移すと、椅子の上には捜していたものが…。
「レニッ!?」
 大神は椅子の上に眠るレニに駆け寄った。
「レニ?」
「う……ん、たいちょぉ………隊長!?」
 大神の姿を霞む瞳で捉えたレニは慌てて飛び起きた。
「レニ…、どうしてここに…?」
「あの、掃除してたんだ。今日はボクが当番だったから…。」
 レニは俯いた。
「隊長がいつも座っている椅子に座ってみたいと思ったんだ。そしたら段々眠たくなってきて…。」
 いつもこんな気持ちだったのだろうか。
 大神は、レニが見つかってホッと胸を撫で下ろすと同時に、自分の胸が痛くなるのを感じた。
「レニ…、心配したよ。どこを捜してもレニがいなかったんだから。」
 大神がレニをやさしく包み込む。
「た、隊長……。」

 コンコン…

 誰かがドアをノックしている。
 このままの体勢を誰かに見られたら大変なことになる。
 大神とレニは急いで離れた。
 大神は椅子に座り、レニは落ちた本を拾って机に戻す。
「どうぞ。」
「失礼します。」
 そう言って入ってきたのはさくらだった。
「あ、レニは掃除当番だったんですね。…もしかしてお話中でしたか?」
 レニの姿を確認し、さくらは、大神がレニに話があると言っていたのを思い出した。
「いや、今終わったところだよ。ところで何か用かい?」
 大神はまた口ごもった。
「はい、かえでさんから書類をあずかりましたので。」
「そうか、わざわざすまない。」
 書類を受け取りながら大神は言った。
「いえ、では失礼します。」
 用を終えたさくらは部屋を出た。

「…隊長、さくらに何か言ってたの?」
 レニは不思議そうに大神の顔を覗き込んだ。
「ん?」
「話がどうとか…。」
「あぁ、レニを探している時にね。さくらくんには、レニに話があるって言ったんだ。」
「話って何?」
「話なんてないよ。」
「え?」
 レニは目を丸くした。
 そして大神は真剣な眼差しでレニを見つめ返した。
「そ、それじゃあどうして?」
 大神に見つめられ、レニは顔をそむける。
 顔が徐々に赤くなっていくのがわかる。
「レニの傍にいたかったから。」
 そう言って、大神はレニを自分の方へ引き寄せ、思いっきり抱きしめた。
「あっ………。」
 レニは突然のことに戸惑いを隠せない。
「隊長、あの……。」
「レニの傍にいたいんだ。レニの傍に…俺の居場所はあるのかな?」
 大神はレニを抱きしめながら呟いた。
 その言葉で、レニも胸が痛くなるのを感じた。
 心臓の鼓動が相手に聞こえそうなほどだ。
「あの……、うん。ボクも隊長の傍にいたい。隊長の傍にいるだけで…ボクは幸せを感じられるから。」
 レニは腕を大神の背に回し、大神を抱きしめた。
 大神の気持ちに応えるように…強く…。
「レニは俺の居場所だよ。」
「…ボクも同じ、ボクの居場所は隊長だから…。」

 自分の居場所を再確認した2人は、1つの椅子で寄り添いながらしばしの休息を取った。

「ボクは、いつでも隊長の傍にいる…。」




 あとがき
なんとなく、眠かったら思いついた(爆
あれ…?携帯キネマトロンとかなかったっけ……;;しかも掃除当番とかあるのかなorz
脳内設定では掃除は支配人室とか中庭とかとか…、絶対お嬢2人はしないだろうけど(^^;
そして何故さくらだけ出てるのか(爆
ラブコメとかだったらさ、会話をさくらがドア越しに聞いてるんだよね…。
それで涙して走り去るとか何とか。まぁ、別にそんな風にする気は毛頭ないけど(笑


江戸桜用SS。少し加筆修正しています。

…1つの椅子で寄り添う!?( ̄□ ̄;;

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