06.おなじゆめ
凪さんに好かれたくて入った野球部
いつの間にか俺は野球にのめり込んでいた
凪さんにカッコイいところを見せたかったのもあるけど
1番の理由はこいつ
「こらーサボるな―!!」
「いてっ!!」
部活中、空を見上げて黄昏ていた俺の背中に軽くボールをぶつけてきた尚規
こいつのおかげで野球が楽しくなった
「ほら!!ノックやるんだから早く守備位置ついてよ―」
女の子みたいに小さくて可愛くて、野球が大好きな尚規
こいつの姿を見ていると、野球も悪かねぇかなって思えてくる
「聞ーてる??」
「うわっ!!」
気づけば目の前には尚規のドアップ
「天国、守備苦手なんだから頑張んないと!!」
可愛い顔をこんな近くで見せられたらたまったもんじゃない
「だーじょぶだーじょぶ、俺にはこのバットがあるから
俺様は世界一のスラッガーになる男だからな」
そう言って高笑いすると、一瞬尚規が悲しそうな目をした
.