honey moon
□第一話
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―遠い遠い昔の話。
まだ地球が、一つの王国で統一されていた時代。
地球を外から守る王国がそこにはあった。
―月の王国、シルバー・ミレニアム。
銀色の長く美しい髪に、凛とした顔立ちの白いドレスを見に纏った、銀の女王が納める国。
女王の名はクイーン・セレニティ
銀河を統べる聖石、銀水晶の持ち主で、慈愛に満ちた美しき女王。
誰からにも尊敬され愛される女王には、たった一人、特別な―そう、親友と呼べる存在があった。
「―アテナ」
「何でしょう、クイーン・セレニティ」
女王と並んでも負けぬ劣らぬ白く輝く姿。
銀に輝く白いマント
月白色(げっぱくいろ)のリボンに
ムーングレイのセーラーカラー
銀色の二本のラインの入った、白磁の存在
胸に輝くクリスタルは、この宇宙でも数少ない特別なセーラークリスタル。
「約束、どうか、お願いします」
「心得ていますよ、
―ニケ」
跪き胸に手を当てる白い「セーラー戦士」
女王は安心したように微笑むと、一つの予感への不安を胸に愛しい娘の下へと歩き出した―。
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