玩ばれる人形

□17.
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−あの騒動から数日。






鉄の森によるギルドマスターの定例会を狙ったテロ事件は一躍大ニュースとなり、国中に知れ渡ったの。

あんな大事件の中心に自分がいたなんて、未だに信じられないけど

あたしはいつもと同じ日常を送っています。

たまにあの時の事を思い出してドキドキしてるけどね。

風の噂じゃ、あのカゲって人や鉄の森のメンバーは殆どが捕まっちゃったみたい。ま…当たり前か。

一つ怖いのはエリゴールだけは捕まってないらしいの。
妖精の尻尾に復讐とかしに来たらどうしよう!?

…でも、大丈夫よね

妖精の尻尾にはナツ・シオン・グレイ・エルザの最強チーム+猫(ハッピー)と狼(牙狼)、そしてあたしがいるからねv


このギルドは最高よ。

だからママも心配しないでね。あたしは元気にやってます。



P.S パパには秘密にしててね。
















「…ふぅー」


手紙を書き終え、封をするとルーシィは一息つく。


「ハラハラドキドキの大冒険もいいけど、やっぱりじぶん家は落ち着くなァ」

「これで家賃7万Jは確かに安いなぁ」


その時、自分しかいない部屋に声が響く。
妙に聞き覚えのある声に振り返ると、此処にはいないはずの人物がそこにいた。


「いいトコ見つかったな、ルーシィ」

「不法侵入―――っ!!!!

しかも人ん家で服脱ぐな―!!!」

「ぐほぉ!」


不法侵入に続き、パンツ1丁のグレイの顎にルーシィの蹴りが華麗にヒットした。


「ちょっと待て…誤解だ…!!脱いでから来たんだが」

「帰れ!!!」


ビッとドアを指し怒鳴るルーシィにグレイが半ば呆れながら口を開く。


「例のアレ、今日だぞ。
忘れてんじゃねーかと思って、来てやったのによォ」

「アレ?」

「やっぱり忘れてんじゃねーか、出発前にナツが言ってただろ?









―ナツとエルザが戦うんだ!!!」







††













「ちょ…ちょっと!!本気なの!?2人とも!!」

「あら、ルーシィ」


グレイの言葉に家から飛び出し、ギルドの前で睨みあっているナツとエルザを見て、慌てるルーシィ。
そんなルーシィを冷静な声が止める。


「止めようとしても無駄だぞ」

「牙狼!!」


その声の主はシオンの相棒である牙狼。
彼の隣りにいるシオンは何故か眠たそうに欠伸を零している。


「ナツがエルザとの対決前の準備運動か何か知らんが、昨日シオンと手合わせをする程やる気満々だからな」

「ん、そゆこと…」

「でも、最強チームの2人が激突したら…」

「最強チームって何だそりゃ」

「あんたとナツとシオンとエルザじゃないっ!!!妖精の尻尾トップ4でしょ」

「はぁ?」


ルーシィの言葉にグレイは馬鹿にしたように笑った。


「くだんねェ!!誰がそんな事言ったんだよ。なぁ、シオン」

「…グレイ、あっち」

「ん?」


シオンが指した先には顔を両手で覆い、泣いてしまったミラが…


「あ…ミラちゃんだったんだ…;」

「露出魔の変態の次には女泣かせか、最低だなお前」

「テメェ…」

「はっ」


ミラを泣き止まそうとしながら鼻で笑った牙狼を睨むグレイ。

彼らの間には火花が散っている。



「確かにナツやグレイの漢気は認めるが…“最強”と言われると黙っておけねぇな。
妖精の尻尾にはまだまだ強者が大勢いるんだ、俺とか」

「最強の女はエルザかシオンのどっちかだけどね」
    ・
「最強の男となるとミストガンやラクサスもいるし、“あのオヤジ”も外す訳にはいかねぇな」

「私はただナツとグレイとシオンとエルザが一番相性がいいと思ったのよ」

「あれ?仲が悪いのが心配って言ってませんでした?」


まだしくしくと泣くミラの言葉にぎょっとしながらつっこむルーシィに牙狼が言う。


「ま、死ぬ訳じゃないんだからいいだろ」

「何か危ない言葉が出たわよ!?」

「ん、死なないんだから」

「シオンまで!?」







 
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