いただきもの

□ホワイトソース理性添え こうすけ様からいただきました
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相互リンク記念に頂きました。念願の人外×トリコですよ…

私のちょい痛な原案とタイトルが、素晴らしく変換されて帰ってきました
相変わらずのトリコの攻められ、喘がされる時の色っぽさったら
私一人で悶えるのはあまりにもったいないので、ぜひご覧になって一緒に悶えて下さい
ホワイトソース理性添え





パラノイアゼリー


虹の実のゼリー。
それは小松が作りあげた料理であり、トリコの舌だけでなく全身を唸らせた一品である。
その虹の実のゼリーを凌ぐほどの美味しさ、濃厚さを持っている天然のゼリーがあるという噂をトリコはとある港で聞きつけた。
その色は虹の七色を超えた、十二色に光り輝き、味はもちろん十二段階、いやその一つ一つを口の中で混ぜ合わせることによって、さらに倍、倍へと味が変化するという幻の品。
港ではそんなもの、ただの伝説もしくは妄想の産物とされていた。
だからこそ、パラノイアゼリーなどという名で呼ばれていたのだ。
だがトリコだけはそれを信用した。

ザァーと風の吹きあられる中、トリコは洞窟の前に立っていた。
どうやら例のゼリーは、ここの中にあるらしい。
伝説扱いのそれがもし本物であるならば、グルメ界のものなのかもしれない。
トリコはドキンドキンと鳴る胸を抑えた。
確かに恐怖心はあったのだ。
だがそれ以上にゼリーが果たしてどのような味なのか。
それを想像しただけで、


「よだれが出ちまうぜっ!待ってろよ、パラノイアゼリー!」


トリコは勇ましく中に入って行った。
思ったより暗くはなく、気になるような香りもしない。じめっとした空気だけが流れている。
それどころか、もうずいぶん歩いたというのに、獣一匹も見掛けていないのだ。
「おかしいなぁ」


トリコは首をかしげながら、奥へ奥へと進んでいく。
その時だ。
物凄い光が眼の中に飛び込んできた。
それと同時に、鼻に直接吹き付ける強烈な香り。甘く辛く香ばしく豊潤な匂い。


「うおぉ!すげぇ濃厚な香りだ!」


その匂いにつられて奥へと進んでいくが、どんどんと強くなる光にトリコは目を開けていられない。
慌てて準備しておいたサングラスをポケットから取り出し、目にかけた。
サングラスをかけて尚、光が強い。あの視力の良いココであれば、失明してもおかしくないだろう。
そしてトリコが見た先、そこには波打つパラノイアゼリーの海が広がっていた。


「こいつはすげぇ!まるで宝石で出来た絹糸のようだ!」


トリコはそっと手でそれを救ってみる。
トロリ、蕩けたゼリー。トリコは慌て口へ含む。


「んぅ、ゅまい! 口の中に広がる今までに食べたことのない味の数々!ゼリーのはずなのに、甘いのはもちろんのこと、何故かステーキのような肉、魚、野菜などの味も彷彿とさせる!これ一つでフルコースが完成しちまいそうだ!」
トリコは涙を浮かべながら、次々とそのゼリーを口に含んだ。
様々な味に変化していくそのゼリーはトリコの舌を喜ばせる。
いつの間にかトリコは、そのゼリーの海の中へと入っていた。
腰までどっぷりと浸かり、まだ足りないまだ足りないというように、トリコはそれらを口に流し込む。
そうこのパラノイアゼリー、実は強い依存性があるのだ。
一度食べたらやめられない。
さらにもう少し奥へ行ってみるかと、トリコが足を動かした時、だった。


「ん!?」


なんと体が動かない。
ぐいぐいと力強くもがくが、まるで鉛にでも圧し掛かれているように、体が重いのだ。


「なんだ、これ、どうなってんだ!」


その時だ。
ぬみょぉーっという奇妙な音を立てて、急にゼリーの波が大きくなった。
かと思いきや、トリコへとそれは被さる。


「うわぁっぷ!?」


トリコはゼリーの波に呑まれ、息もできない。
その波が去ったと思いきや、トリコの目の前に現れたのは、赤いゼリーの突起だった。
それはゼリーの海からふよふよと何本も突き出ている。そして、トリコへと襲いかかったのだ。


「な、なに!? まさか、こいつ生きているのか?!」
パラノイアゼリー。
誰しもが伝説だと思い込んでいた食材。
そのため、このゼリーには知られていない部分が多くあった。
例えば、トリコの言っていたように、このゼリーは本当に生きている。
そしてさらに奥へと行くと、一本の幹へと繋がる植物でもあるのだ。
このゼリーの味が美味である理由は、今まで捕食してきた獣を元にして作られているからであった。
甘いだけでなく、肉や魚などの味も分泌することによって、ゼリーをより美味しくし、生き物たちを誘い、じっくりと捕食する。
それがこの恐ろしいパラノイアゼリーの実態である。


「今までに獣が一匹もいなかったのもこいつのせいだってのか!」


トリコは眉を寄せるがもう遅い。
自分はすっかりゼリーの海の中なのだ。
赤い突起物はぷにょぷにょとトリコの体を弄る。
さらに伸縮自由自在のそれは細くなり、トリコの服の中へと侵入してきた。


「あっ、ぐぁ、やめ、ろ!」
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