拍手編
□+Tick And Treat
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〜特別短編集〜
期間限定
【Tick And Treat】
「良いですかぁ皆さん!
10月と言えばぁ〜?」
女教師のもったいぶる様な声の後
「ハローウィン!!」
沢山の生徒達の興奮にまみれた声が、これでもかと教室内に響いた。
そんな中、一人の女の子は迷惑そうに顔を歪め耳を塞ぐ。
「その通ぉりです!皆楽しみの[ハロウィン]ですねぇ」
女教師は感慨深そうに腕を組んで何度も頭を上下させた。
女の子はそんな教師の事など眼中に無い…。
「先生ー! 今年はどうやって変身するの?」
女教師の目の前に座る男の子は、腕を真っ直ぐに伸ばし、好奇の目で尋ねた。
「そうですねぇ… じゃぁ、くじ引きで決めちゃいましょう!」
元からそう答える予定だったのか、女の後ろから上の方だけ丸く切り抜かれた簡素な箱が現れた。
(元から決まってんじゃねぇか…。)
女の子とは思えない口調で、少女は先生につっこむ。
ちなみに彼女の服装も、帽子を取らなければ男の子と間違われる様な服装であった。
「前から順番に、一人一枚ずつ取って下さいねぇ。ずるした子はオバケに食べられちゃいますよぉ〜」
所々から、面白がる甲高い悲鳴が上がる。
女の子はそんな彼らに冷たい視線を投げかけた。
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