拍手編


□+Tick And Treat
1ページ/3ページ





〜特別短編集〜
期間限定

【Tick And Treat】



「良いですかぁ皆さん!
10月と言えばぁ〜?」

女教師のもったいぶる様な声の後

「ハローウィン!!」

沢山の生徒達の興奮にまみれた声が、これでもかと教室内に響いた。


そんな中、一人の女の子は迷惑そうに顔を歪め耳を塞ぐ。

「その通ぉりです!皆楽しみの[ハロウィン]ですねぇ」


女教師は感慨深そうに腕を組んで何度も頭を上下させた。

女の子はそんな教師の事など眼中に無い…。


「先生ー! 今年はどうやって変身するの?」

女教師の目の前に座る男の子は、腕を真っ直ぐに伸ばし、好奇の目で尋ねた。

「そうですねぇ… じゃぁ、くじ引きで決めちゃいましょう!」


元からそう答える予定だったのか、女の後ろから上の方だけ丸く切り抜かれた簡素な箱が現れた。

(元から決まってんじゃねぇか…。)


女の子とは思えない口調で、少女は先生につっこむ。

ちなみに彼女の服装も、帽子を取らなければ男の子と間違われる様な服装であった。


「前から順番に、一人一枚ずつ取って下さいねぇ。ずるした子はオバケに食べられちゃいますよぉ〜」

所々から、面白がる甲高い悲鳴が上がる。


女の子はそんな彼らに冷たい視線を投げかけた。


次_
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ