BL
□つよがり
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──終わってしまう。
儀式は呆気ないものだった。
鳳、樺地とテニスコートに向かう。
三年生は全員集まっているようだった。
冷たい空気が頬を刺す。
鳳はしゃんと背筋を伸ばしていつもと変わらない様子だったが、潤んで赤い彼の瞳が全てを示していた。
宍戸さんを見る度に、涙を堪えて歪む表情が痛々しかった。
「……よし、全員揃ったな?
これから記念撮影を執り行う
全員、笑え!
いいな?これは命令だ!」
──…流石だな…。
…今は、その強引さに救われる人が大半だと思う。
それは同時に
跡部さん自身に向けられた言葉でもあるだろう。
彼は、彼なりに励ましているのだ。
仲間と、
自分を。
これから別々の道を歩む仲間たちに向けられた、
はなむけの言葉──……。
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