僕らの場合

□君はまた、線を引くんだね。
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「…ギムレットって?」



「うん?ギムレットはね、レイモンド・チャンドラーの『長いお別れ』っていう小説に出てくるカクテルなんだよ。」



「………えっ。」



「……………。」



「ん?どうかしたかい?」



「………あっ、………ううん。」







そうやって、


見ない振りをして、


何も感じない振りをして、





やっと近づいた僕らの間に、


君を欲する僕の想いに、




――君はまた、線を引くんだね。




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