BLEACH
□淡雪の囁き
2ページ/3ページ
雪が舞い降り始めた公園の並木道
―ザ・・・
ザッ
ザッ・・・
うっすらと落ち葉が散らばるその道を
雪のような真っ白い羽織を羽織った日番谷が歩いていく
「……」
辺りを見渡せば、現世でいうクリスマスが近いせいかイルミネーションが目に止まる。
普段は人通りが少なく静かなこの並木道も、今は賑わいを見せていた。
―フ…ッ
「…ん」
突然頬に伝わったひんやりとした感覚に、彼はその場に立ち止まる。
「―…雪?」
頬を撫でると既に水滴へと姿を変えた“それ”を珍しそうに見つめる。
「もうそんな季節か…早いな」
ついこの間までは太陽の陽射しが眩しかった夏だったのに
気が付けば、肌寒さの広がる冬になっていた。
「今頃雛森、喜んでるだろうな」
ふと、流魂街からの幼馴染みの顔を思い浮かべる。
『見て見てシロちゃん!雪だよ雪♪』
子犬のように目をキラキラ輝かせる。
『仕事が終わったら、みんなで雪合戦やろうね!』
明るいムードメーカー
『雛森、ちゃんと仕事に集中しなきゃ駄目だろ!』
『はぁーい…』
渋々、仕事をする。
「フフッ…」
幼馴染みの事を思い浮かべる度に自然と笑みが零れる
「たまには付き合ってやるか…」
再び歩き出そうとした瞬間―