携帯獣

□あいたい?
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「んー・・・」
「根詰めすぎもよくないんじゃないの?」
「わかってはいるんだけどね」


くしゃりと微笑んで、シゲルは困ったように言った。真面目だし、手抜きはしたくないからってのもあるんだろうけど、無理しすぎて倒れでもしたら元も子もない。


「君は旅の途中だろ」
「いいじゃん別に」


フィールドワークしているのを発見して絡んだだけだし。いや、本当だよ。逢いたかったのもあるけど・・・言わないけど。


「ブラッキー」
「癒し」
「全く」


呆れたように溜め息を吐かれる。いいじゃないか。別に。いいでしょ?


「そうだ。聞いて」
「なんだい?」


トントンと喉を叩く。あ、あ、と意味の無い声を出して音程を調整した。


「“サァトシ君”」
「・・・」
「似てない?」
「・・・練習したの?」
「した」


頑張ったんだよこれー、と言えばさっきよりも呆れられてしまった。そんなに気入らなかったのかな。

さてと。そろそろお暇しましょうか。研究の邪魔になりそうだし。迷惑かけたいわけじゃないから。


「グラエナおいで」
「行くのかい?」
「また逢いに来るよ!」
「僕に?それともブラッキーに?」
「り、両方で」


一瞬、迷った。それは勿論、でもこっちの返答で許してもらおう。


「僕は君に逢いたいから」
「あいあい」


ひらりと手を振ってその場を立ち去る。グラエナじゃなくて空を飛ぶ出来る子出せばよかった!そしたらもっと早く立ち去れたのに!


「待ってるからね」



相変わらずですね、惚れて騙されそうだよまったくさ!

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