携帯獣
□合間
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欠伸を噛み殺してパソコンの電源を切る。
画面と睨めっこは長時間は嫌になる。元々アウトドアだったのだから、部屋の中にじっと籠もり続けるのはそう得意じゃない。明日は晴れたらフィールドワークに行こう。それなら、きっと気分転換になる。
根詰めすぎてもいい結果は出ない。
そんな時。不意に扉がノックされる。出てみれば、見慣れた姿。
「ご飯食べさせてください。ついでに雨宿りも」
「旅は?」
「休憩」
近くを通りかかったらしい。そうは言うけど。ここって、滅多に通りかかるような場所じゃないよ。
ぐったりとソファに座る。ちょうど僕も何か食べようと思っていたし丁度いい。食事の準備をするから待ってて、と言ってキッチンに向う。外から雨音が聞こえてきた。
降り始めたのか。明日、晴れるかな。
「できたよ。って・・・寝た?」
「起きて、る」
「風邪引くよ」
「ブラッキーを抱き締めれば、」
「引く。僕のブラッキーを抱き枕にしようとしないでくれ」
食事よりも睡眠らしい。慣れたけど。相変わらずだね君は。
「サトシ達と一緒に旅をしてるんじゃなかったのかい」
「たまに・・・合流する」
うとうと。船をこぎ始める。あぁ、寝るな。コテンと机に突っ伏してしまった。ほら、やっぱり。仕方ない。料理は起きたときに食べてもらおう。とりあえず、布団。
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