novel

□愛情と殺意
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しんと静まり返ったエクセラの部屋。ここの主に用があったのだが、不在のようだ。仕方なくソファに座って待つことにした。
暫くして、部屋の扉が開かれた。

「ああ、もう!」

苛立ちを隠せない声が聞こえ、そちらを向いた。

(―――!)

扉を開け、部屋に入って来たのは全身びしょ濡れのエクセラだった。水気を含んだ長い髪が頬や首にまとわり付き、着ている服はぐっしょりと濡れ、細い体に張り付いてボディーラインを強調している。

「最悪だわ」
「水浴びでもしたか?」
「違うわよ!さっき、研究施設からここに戻ってくる時に、いきなり雨が降ってきたのよ。それも大雨!」

最低よ、と悪態を吐きまとわり付く髪を手で払いのけた。

(…………)

エクセラが話している間も、俺の視線はエクセラの胸元に向いていた。エクセラは今日に限って白のYシャツを着ていた。雨で濡れたYシャツは服の役割を担っておらず、下着が透けてしまっている。そんなエクセラの姿に少なからず、欲情させられた。
俺はこちらに背を向けているエクセラに音もなく歩み寄り、細い体を後ろから抱き締めた。

「……濡れるわよ?」
「…………」
「ねぇ、アルっ…!」
「何だ」
「…何、勃たせてるのよ……」
「お前が悪い」

エクセラの小ぶりの尻に硬くなった自身を押し付ければ、それに気付いたエクセラが苦笑した。

「抱かせろ」
「昨日もシたじゃない。嫌よ」

そう言って、俺の腕から抜け出し、シャワールームへと入って行った。

(…ほう?……)

嫌だと言われた所で勃ち上がった自身が治まるはずもなく、エクセラの後を追った。
シャワールームの扉の前に立てば、シャワーの音が聞こえてくる。その扉を躊躇いもせず開け、服も脱がずに足を踏み入れれば、エクセラが勢い良く振り向いた。

「ちょっと、アルバートっ…っきゃぁ!?」

エクセラをシャワールームの床のタイルに押し倒せば、エクセラが短く声を上げた。すかさず覆い被されば、俺の背に湯が叩きつけられる。

「何するのよ!」
「黙っていろ」

革手袋を外し、シャワールームの隅へ投げ捨てた。壁に掛かっているボディータオルを取り、エクセラの両手を頭上で拘束した。ちらちらと恐怖の色が見えるエクセラの瞳に、さらに情欲を掻き立てられるのを感じた。
細い首筋に唇を押し当て、歯を立てた。

「っ、痛ぃ…!いや…っ…」

歯に力を込めれば、エクセラの目が涙で潤んだ。唇を離し首筋を見れば、皮膚が切れて血が滲んでいた。

「…何で…こんな…っ」
「……さあな」
「もぅ…やめて……」
「それは聞けんな」
「どうして…っ?」

俺の言葉にエクセラは涙を零した。耳の方へと流れていくそれを、シャワーの湯が攫っていった。

「エクセラ、お前は誰のものだ?」

低く優しげな声で問い掛けた。

「…私はっ…!」
「お前は俺のものだ」

エクセラの言葉を遮るようにそう言った。俺のその一言に、エクセラの瞳が揺れた。

「お前のその体も声も髪も指も、勿論お前の心も…お前の全てが俺のものだ」

合わせた目を離すことなく、諭すように言えば、エクセラはゆっくりと口を開いた。

「貴方の、もの…?」
「そうだ」

物分かりの良いエクセラに笑みを向けた。一瞬だけ見開かれた灰色の澄んだ瞳が、静かに細められた。

「もう1度聞こう。…お前は誰のものだ?」
「私は…貴方のものよ……」

俺を見つめて呟かれたその言葉に思わず、口角が上がる。

「……いい子だ」

薄く開いた唇に口付けを贈った。

「……まだ、俺を拒むか?」
「そんなこと、しないわ」

小さく首を横に振って、そう答えた。

「それでいい」

満足げに笑ってエクセラの両手を拘束していたボディータオルを外し、自由にしてやれば、即座に両腕が俺の背に回された。エクセラを腕に抱き、シャワーを止める。つい先程までシャワーを浴びていた俺の服は、すっかり湯を吸って重くなっていた。体に張り付いた服を脱ぎ、無造作に投げ捨てた革手袋を拾い上げると、服と一緒に脱衣所にある籠に入れた。

「……アルバート」

不意に腕の中のエクセラが俺を読んだ。

「……愛しているわ。殺したい程に、ね…」

そう言ったエクセラの顔には、聖母のような笑みが浮かんでいた―――。




end









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訳が分からなくなった。
本来の(?)サディストなウェスカーさんを書きたくて…。で、書いた結果がこれだよ(´Д`;)

ここまで読んで下さりありがとうございます!






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