novel

□ウェスカー家の事情
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「ふっ、ん……そんなの…いつも、じゃない…ぁ」

嬌声の合間に言えば、アルバートは胸から顔を離しニヤリと笑う。

「そうだったな…」

アルバートは背もたれに掛けられたネクタイを手に取ると、私の両手首を一纏めにしネクタイで縛り上げた。両手を拘束され、頭上で固定される。そんな私の姿に満足したらしい彼は、スカートを下着と一緒に下げ、床へ放り投げた。生まれたままの姿にされ、しかも手は拘束されている。自分の姿を思い浮かべ、羞恥に襲われる。
かっと顔に熱が集まっていく。それを見られまいと、背けるが顎を掴まれ押さえつけられてしまった。

「お前の顔が見られなければ、つまらんだろう」

顎を掴んでいた手が離れ、その手が胸を鷲掴んだ。思わず首を逸らし、声を漏らした。
もう片方の手が内股をするすると撫でる。もどかしさに身を捩る。

「あ…はぁ…んっ、ぃや……ん」
「嫌?何が嫌なんだ?言わねば分からんぞ」

胸を愛撫する彼の左手は突起の回りばかりに触れ、右手は未だに内股を撫で足の付け根をくすぐる。敏感な所には触れず、その周辺ばかりに触れる。

「いやぁ…ん…アル、バート」
「エクセラ…ずっとこのままだぞ?」
「ぃや、アルバート…ぉ、ねがい…貴方なら、…んっ…分かるでしょ…わたしの、っ…イイ所……」
「お前のイイ所なら、お前以上に分かるぞ」
「…イイ、とこ…触っ、てぇ……はっ…」

途切れ途切れに告げれば、漸く欲しかった刺激が私を襲う。その刺激の強さに、背中が弓なりになる。

「あぁっ、…だめ、あ!…あ、ぁ…」
「駄目じゃないだろう?」
「あっ、ぁ!…きも、ち…イイ…あぁん、イっ、ちゃ…っ」
「もうか?早いな、少しくらい堪えてみろ」

そう言うと、激しく蜜壷に抽挿を繰り返していた2本の指が奥まで収まったまま、動きが止まった。胸は鷲掴まれたまま。

「…ぁ…ん……はぁ、ん」
「いやらしい腰が動いてるぞ?そんなに堪えられんか?」
「ぁっ、は…いや…なの…っ」
「何がだ?」
「貴方のっ、熱くて…大きい、の…じゃなきゃ、い、やなの…ぁ…」

ズルリと指が抜かれた。アルバートは体を起こし、ベルトを外しに掛かった。スラックスの前を寛げるとはちきれんばかりに膨れ上がった中心が現れた。

「そんなに物欲しそうな顔をするな。喜べ。ちゃんと…くれてやる」
「ああ…早く…ちょ、だい…」

アルバートは私の手を拘束していたネクタイを外し、中心を蜜壷へ宛がった。熱い吐息を吐いた所へ、ゆっくりと挿入してくる。
やがて、全てが収められた。中を収縮させれば、彼が苦しそうに顔をしかめた。歯を食いしばり僅かに開いた唇に口付ければ、律動が開始される。

「んっ…ンぅ……はっ、あ、あっ…」
「……くっ……はっ…エクセラ…」

薄く目を開けば、アルバートは目を閉じて眉根を寄せていた。僅かに開いた唇からは、熱の籠もった吐息を吐き私の名を呟く。そんな姿に煽られ、絶頂へと上り詰めた――。





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