novel
□欲望のままに
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腕を引かれながら歩いていると、アルバートの部屋に着いてしまった。彼がドアを開け、私を部屋へと押し込んだ。そして、奥にあるクローゼットの前まで連れられて行く。
「さぁ、選べ」
クローゼットを開いて中を見た。その中には、腰の辺りまでスリットが入っている黒のロングチャイナドレス、レースがふんだんに施された緋色のエプロンドレス、ふわふわとしたスカートにレースアップが施されたビスチェのゴスロリ系の服、ブレザーの制服のようなもの、スカートの丈が短すぎるスーツ。などのマニアックなコスチュームがあった。
「どうした?早く選べ」
「この中から選ぶの?」
「ああ。まぁ、俺のオススメはこれだな」
そう言ってアルバートは私に服を一式渡してきた。白いブラウス、マイクロミニのスカートには両サイドに深いスリットが入っている、色は薄いグレー。医者が着るような白衣もある。黒のガーターベルト、黒のニーハイソックス、真っ赤なハイヒール。オプションであろう、赤いフレームの伊達眼鏡があった。
「………もう、これでいいわ」
「よし、早く着替えてこい」
ニヤニヤと笑うアルバートを横目に見て、脱衣場へ向かった。
「…これでいいの?」
着替え終わり、覚悟を決めて脱衣場から出た。背を向けていたアルバートはゆっくりと振り返り、私を見た。上から下までじっくりと舐め回すように眺めてくる。彼の視線に、羞恥が込み上げてくる。その羞恥に堪えきれず顔を背ければ、アルバートが歩み寄って来て、私の顎を掴み上を向かせた。
「それでいい。…やはり、お前にはそれがよく似合う」
「もう…いいでしょう?」
アルバートから離れようとするが、逞しい腕に抱きしめられた。
「まだだ。行ったはずだ、天国に連れて行ってやる、と」
「………好きにすればいいわ」
小さく溜め息を吐いた。逃げられないと諦めた私を、彼は喉の奥で笑った――。
欲望のままに
(貴方は私を求める)