novel

□お前には
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「あら、何かしら?コレ」

私は、アルバートの部屋の中央に置いてあるテーブルの上の小ビンを、手に取った。その中には透明な液体が入っている。蓋を開けて匂いを嗅いでみるが、何の匂いもしない。気にはなるが取り敢えず、テーブルの上に戻した。

(そんなことより、アルバートはまだ来ないのかしら)

彼が「俺の部屋で待っていろ」と言うから、彼の部屋で待っている。

(もう、眠くなってきちゃったじゃない…)

昨日、遅くまで調べ物をしていた為、休むのが遅くなってしまった。腰掛けているソファに体を横たえ、肘掛けに頭を預けた。そうすれば、急速に眠気が襲ってきた。




















ウェスカーは己の部屋に入り、黒い革張りのソファに目をやった。ソファには、エクセラが肘掛けを枕に寝息をたてていた。どうやら、随分と待たせてしまったようだった。エクセラはぐっすりと眠ってしまっているようで、今の所起きる気配はない。

(……無防備だな…)

エクセラは女の武器とも言える滑らかな脚を、白く細い首筋を惜しげもなく晒している。
もし、部屋に入ったのがウェスカーでなければ、間違いなく襲われてしまっていたことだろう。ウェスカーは、目の前で気持ちよさそうに寝息をたてるエクセラを見て、ニヤリと口角が上がるのを感じた。

(こんなところで寝ていては、何をされようが文句も言えんだろう…)

そして、晒け出されている脚に手を添え、ゆっくりと付け根の方へ滑らせる。すると、エクセラは僅かに身じろぐ。

「…んっ…」

小さく呻き、寝返りを打ったエクセラの胸の谷間を指でなぞる。白い首筋をねっとりと舐め上げれば、エクセラの目が開かれた。

「ぁっ…アルバート…何して、る…のっ…」
「俺の部屋で無防備に眠っていたお前が悪いんだろう」

ウェスカーは喉の奥でくつくつと笑い、エクセラに軽く口付けた。

「ね…何か、用があったんでしょ?」

エクセラにそう言われたウェスカーは、思い出したようにテーブルの上の小ビンを手に取った。

「そうだったな…。さて、早速だがコレを飲め」

ウェスカーの言葉にエクセラはたじろいだ。

「私に…それを飲めって言うの…?」

エクセラの問いにウェスカーは、静かに頷いた。

「どんな効果があるの?」
「……それは、まだ言えん」

小ビンを受け取ったエクセラは、まじまじと中身を見た。

(………仕方ない、わね…)

決心し蓋を開け、液体を一気に飲み干した。

「…………」

特に体に変化はないようだ。そう思ったエクセラは、ウェスカーの方へ顔を上げた。

「っ!?」

ウェスカーと目を合わせたエクセラは、突然床に倒れ込んでしまった。





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