novel2

□こんなにも貴方を
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今日は帰れないかもしれない。アルバートのその言葉に、寂しさが募った。けれど、不安にさせないようにと明るく、分かったと言った。
アルバートとの通話が終わり、ぐるりとリビングを見渡した。

(アルバートが居ないだけでこんなに広く感じるのね……)

小さく溜め息を吐き、シャワールームへ向かった。
シャワーを浴び、寝室へ向かう。大きなベッドに横たわり、目を閉じた。
ふと感じたアルバートの匂い。途端に思い出されるのは、熱く激しい情事。自然と体が熱を帯びてくる。すりすりと太股を擦り合わせ、熱い息を吐いた。
アルバートが居てくれたらすぐに優しく慰めてくれるのに、そう思いながら己の右手を脚の間へと滑らせた。
シルクで出来た肌触り抜群のネグリジェをたくし上げ、ショーツからするりと足を抜く。両膝を立て少しばかり脚を開き、そっと秘部に触れれば、そこは既に湿り気を帯びていた。
いつもアルバートがするように、敏感な芽を擦る。熱いようなくすぐったいような感覚に、思わず声を漏らした。

「は、ぁ……あっ………アルバート……」

びくりと腰を震わせ、何度もそれを擦った。
顔を横に向けるとハンガーに掛かった、アルバートのジャケットが目に入った。
私は愛撫していた手を止めて、ベッドを降りた。そして、ハンガーに掛かっているジャケットに近寄り、ハンガーから外し、抱き締めてみた。そうすれば、ふわりとアルバートの匂いが私を包む。

(抱き締められてるみたい……)

そのまま、ベッドに戻り、ジャケットを左手で抱き締めたまま愛撫を再開した。
愛液を溢れさせる蜜壺へ指を挿入し、ナカを掻き混ぜる。くちゅくちゅと音を立てながら、自らを高みへと追い詰める。

「あっ……あぁ…あっ、アルバート…っん」
「ほう…1人でする時はそれが恋人か」
「え……?」

ぴたりとナカを掻き回す指を止め、横を見れば、椅子に腰掛け、私の自慰を眺めるアルバートの姿があった。
私は即座に上半身を起こし、アルバートのジャケットで体を隠した。

「ん?何だ、もう終わりか?」
「か…帰れないんじゃなかったの…?」
「確実に帰れないとは言っていないが?」

アルバートは口角を上げたまま、腰を上げると、ベッドの上にいる私に近付いた。ベッドの横から伸ばされた2本の腕に誘われるように、アルバートの逞しい胸に飛び込んだ。

「……悪かった。寂しかったか?」
「当たり前でしょう?」
「クククッ…そうか」
「……ねえ?」
「ん?」
「………早く、して?」
「!……そうだな」





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