novel2

□ショコラな夜
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「…あっ、あ…ん、あ…!」

ギシギシと軋むベッド、その上で嬌声を上げ乱れるエクセラ。そんなエクセラの細い腰を掴み、腰を打ち付けているのは―――。



























「―――ッ!?」

急速に意識が浮上し、閉じていた目を見開けば天井が目に入った。荒い呼吸を繰り返し、辺りを見回した。

(……夢、か…)

質の悪い夢だ。エクセラが抱かれる夢。相手の顔は分からなかったのが、不幸中の幸いか。
目を閉じると先程のそれが蘇り、言い様のない苛立ちが込み上げた。

「ん……アルバート…?」

声が聞こえ、ふと隣を見れば寝惚け眼のエクセラが俺を見ていた。
近頃、目を覚ますといつも隣にエクセラが寝ている。いつ、ベッドに忍び込んだのかも分からない。普段なら気付く筈なのだが、エクセラは分からないのだ。
それは俺に対して、敵対心が微塵も感じられないからだろうか。はたまた、エクセラが近くに居る事で俺が安心しているのだろうか。
考えれば考える程、謎は深まる一方だ。

「アルバート?…どうかしたの?」

自分を見つめる俺を不審に思ったのか、エクセラは俺の顔を覗き込んでいた。

「……いや、何でもない」
「そう?……でも、汗が凄いわ」

エクセラはそう言って、俺の額に手を伸ばし、汗を拭った。その手を捕らえ、己の口元まで持っていき、細い指を舐め上げた。エクセラは軽く肩を跳ねさせた。

「っ…アルバート」

エクセラは捕まれた手を引き戻そうとするが、女の力では到底適うはずがない。指を1本ずつねっとりと舐め上げ、指の又に舌を差し込む。

「…ん……アル…」
「エクセラ…」

熱を含んだ声で名を呼んでやれば、エクセラの双眸は熱に浮かされたように潤んだ。手を離してやり、エクセラに覆い被さった。顔の脇に手を突くと、エクセラはその腕に手を滑らせ、俺の背へと回した。
その誘いを断る訳もなく、荒々しく口付けた。柔らかな唇をはみ、ぬるりと舐める。すると、唇が開き、俺を奥へと誘った。
唇の隙間に舌を差し込み、歯列をなぞってはエクセラの舌に己のそれを絡めた。

「……はぁ……ン…ふ………」

切なげに眉を寄せ、甘い吐息を漏らすエクセラの服を胸の上までたくし上げた。下着が着けられていない胸が露わになり、ふるふると揺れた。口腔を蹂躙し、唇を離せば、エクセラは俺の後頭部を手で押さえ、再び唇を合わせてきた。
自らの舌を絡めてくるエクセラに理性が揺らぐ。今すぐにでも、ガラガラと音を立てて崩れ落ちてしまいそうだ。





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