novel2

□お前は俺の所有物
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ベッドの上には、エクセラの姿があった。足早に近寄り、エクセラの安否を確認する。どうやら、眠っているだけのようだ。

「エクセラ」

名を呼び、体を揺らしてみるが、エクセラは一向に目を醒まさない。仕方なく、眠ったままのエクセラを抱き上げた。

「その女をどうするつもりだ」

突然、ドアの方から声がした。そちらを振り向けば、俺に銃口を向ける男の姿があった。

「取り返しに来ただけだ」
「ふざけるな!その女は、俺の人生を狂わせたんだ!その女が消えればトライセルはお終いだ。そうすれば、この俺の会社が世界のトップになるんだ!」

興奮気味に喚き散らす男に、俺は呆れたように口を開いた。

「フン…くだらんな」
「何…!?」
「貴様の考えなどどうでもいい。…が、この女は俺の所有物だ。俺のものを他人にどうこうされるのは我慢ならん」

そう言って、ハンドガンを構えて引き金を引けば、男の額に当たり、男は後ろに倒れた。

「俺のものに手を出したのが間違いだったな」

額から血を流し、絶命した男にそう言い捨てた。
建物を後にし、車に向かい、エクセラを助手席に乗せ、車を走らせた。



























トライセルに戻り、エクセラを抱き上げて俺の部屋へ入った。寝室のベッドにエクセラを寝かせる。陶器のように白く滑らかな頬を優しく撫でれば、エクセラの長い睫毛が震え、ゆっくりと目が開かれた。

「アルバート……私…」
「……起きたか」

目を覚ましたエクセラは不安げに眉を下げた。何となくそれが見ていられなくなり、ベッドに手をついて、エクセラに軽く口付けた。

「……助けてくれたの?」
「俺は、俺の所有物を奪われたのが許せなかっただけだ」
「ふふっ…ありがと」

軽く礼を言い、エクセラはふわりと微笑んだ。

「何があった?」
「今朝、突然知らない男達が部屋に入って来たの。抵抗はしたんだけど、太刀打ち出来なくて……それから、薬を嗅がされて…」
「……そうか」

(それだけなら良いが、な……)

少しばかり考え込んでいると、不意にエクセラは上半身を起こして、俺に抱き付いた。当然のようにエクセラの細い体を抱き締め、腕の中に閉じ込める。そして、至近距離で目と目を合わせ、互いの唇を見やれば自然と唇が合わさった。
舌を絡め取り、口腔を蹂躙する。

「……ん……ふ…ン、ぅ…」

エクセラの後頭部を手で押さえて、口付けをより深くすれば、エクセラは苦しげに眉根を寄せた。

「…んんっ…ん……っ、アル…んっ…!」

さすがに息が続かないのか、しつこく舌を絡める俺の胸板をエクセラの手が押し退けようとする。だが、その手には力が入っておらず、俺を押し退けるには不十分なものだ。仕方なく唇を解放してやれば、エクセラの体は力無くベッドに沈んだ。

「はぁ…は…もう、私の事殺す気なの?」
「ククク…そんなつもりは無いがな」

頬を赤く染め、目には涙を浮かべながら荒い呼吸を繰り返すエクセラに、自然と口角が上がる。ベッドに乗り、エクセラに覆い被さった。

「……しかも、する気ね?」
「お前が誘っているんだろう?」
「そんな事無いわ」
「ほう…?」





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