novel2

□へたれ彼氏
2ページ/2ページ







(気にしてたのね…)

クスクスと肩を震わせると、アルバートが私を恨めしげに睨む。

「笑うな」
「ふふっ…だって……ふふふ…」

私に笑われているというのに、アルバートは私を睨み付けるばかりで何も仕返しらしきことをしない。

(そこがへたれだって言うのよ…)

笑うのを止め、小さく溜め息を吐いた。

「ダメねぇアルバート」
「?」
「私に笑われるのが嫌なら……私の事、押し倒せばいいじゃない」
「な…!」

耳元で囁けば、アルバートは耳を真っ赤に染め上げた。これは面白いとばかりに、私はアルバートをより煽った。

「ほらほら、押し倒さないの?」
「っ……!…」
「それとも何?…へたれすぎて出来ないのかしら?」

そう言えば、アルバートは不意に体を起こし、私を抱き上げると、歩き出す。寝室へ向かうと、ベッドの真ん中に私を投げた。ベッドに横たわった私にアルバートが覆い被さってくる。暫くアルバートの出方を窺うが、行為を始める所か、キスすらしてこない。

「…………」
「…するの?しないの?」
「………う…」
「はっきりしなさい」

アルバートは私の言葉を聞くと、私を抱き締め、ベッドに寝転がった。

「どうしたの?」
「……抱かずとも、お前の頭の中は俺で一杯なのだろう?」
「え…?」
「お前が俺の事だけ考えているなら…それでいい」
「……そう…」

(そんなの……反則だわ…)

赤くなった顔を見られまいと、アルバートの胸板に額をくっつけた。

































「卑怯よ!アルバート」
「な、何だ?いきなり…」
「何だじゃないわ!あのタイミングであんな事言うなんて!(思わず胸キュンしちゃったじゃない!)」
「だが…」
「何よ?」
「本当の事だろう?」
「っ!」
「?」
「ば……ばか!!!これ以上私を辱めると承知しないわよ!」
「はっ!!?」








ツンデレ(?)なエクセラたん。だが、あの台詞で胸キュンするかは分からない(笑)





前へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ