novel2
□へたれ彼氏
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(気にしてたのね…)
クスクスと肩を震わせると、アルバートが私を恨めしげに睨む。
「笑うな」
「ふふっ…だって……ふふふ…」
私に笑われているというのに、アルバートは私を睨み付けるばかりで何も仕返しらしきことをしない。
(そこがへたれだって言うのよ…)
笑うのを止め、小さく溜め息を吐いた。
「ダメねぇアルバート」
「?」
「私に笑われるのが嫌なら……私の事、押し倒せばいいじゃない」
「な…!」
耳元で囁けば、アルバートは耳を真っ赤に染め上げた。これは面白いとばかりに、私はアルバートをより煽った。
「ほらほら、押し倒さないの?」
「っ……!…」
「それとも何?…へたれすぎて出来ないのかしら?」
そう言えば、アルバートは不意に体を起こし、私を抱き上げると、歩き出す。寝室へ向かうと、ベッドの真ん中に私を投げた。ベッドに横たわった私にアルバートが覆い被さってくる。暫くアルバートの出方を窺うが、行為を始める所か、キスすらしてこない。
「…………」
「…するの?しないの?」
「………う…」
「はっきりしなさい」
アルバートは私の言葉を聞くと、私を抱き締め、ベッドに寝転がった。
「どうしたの?」
「……抱かずとも、お前の頭の中は俺で一杯なのだろう?」
「え…?」
「お前が俺の事だけ考えているなら…それでいい」
「……そう…」
(そんなの……反則だわ…)
赤くなった顔を見られまいと、アルバートの胸板に額をくっつけた。
「卑怯よ!アルバート」
「な、何だ?いきなり…」
「何だじゃないわ!あのタイミングであんな事言うなんて!(思わず胸キュンしちゃったじゃない!)」
「だが…」
「何よ?」
「本当の事だろう?」
「っ!」
「?」
「ば……ばか!!!これ以上私を辱めると承知しないわよ!」
「はっ!!?」
ツンデレ(?)なエクセラたん。だが、あの台詞で胸キュンするかは分からない(笑)