novel3

□既成事実
2ページ/4ページ







(……自分のもの?)

それでは、俺はエクセラを自分のものだと言っているようなものだ。

(ああ…そうだ)

エクセラは俺のものだ。俺以外がエクセラに触れる事など許される筈も無い。たとえ、エクセラが愛した男だとしても。
無残な姿になったディスプレイを横目で見て、ぐしゃぐしゃになってしまった資料をテーブルへ放った。ソファから立ち上がり、部屋を出る。エクセラのもとへ向かわなくては。足早に長い通路を歩き、一先ずエクセラの部屋へと向かった。
俺はドアに手を掛け、エクセラの自室に侵入した。俺がいきなり現れた事に、エクセラは驚いたように目を丸くしていた。

「アルバート…珍しいのね、貴方が私の部屋に来るなんて」

ゆるゆると動く、エクセラの唇を見つめていた。男が触れた唇。消毒してやらなくてはならない。汚されてしまったそれを。
俺は無言でエクセラに近付き、腰を抱き寄せ、強引に唇を奪った。エクセラの目は見開かれ、必死に抵抗を見せる。後頭部を押さえ付け、口付けを深くした。逃げ回る舌を難なく絡め取り、息も吐けぬ程に攻め立てる。

「んっ、んん…ぅ、んッ…」

次第にエクセラの体が震え、ガクリと崩れ落ちた。その寸前に抱きかかえ、首筋に唇を押し当てる。舌でぬるりとそれをなぞれば、エクセラは俺の服を掴んだ。
俺の体を押し退けようとしているのだろう。だが、女の力などに負ける筈が無い事は一目瞭然だ。
エクセラをソファへ押し倒し、首筋に幾つもの刻印を刻んだ。

「やっ、ぁ…アルバート…!」

ささやかな抵抗を見せるエクセラの両手をソファに縫い付け、思い思いに舌を這わせる。男が触れた箇所を丹念に舐め上げながら、項へと目をやった。
そこには俺の残したものではない、赤い印。まさか、とエクセラに問い掛けた。

「抱かせたのか?」
「何、言って……」
「……許せんな」

この体を味わうなど、許されぬ事だ。エクセラの全ては、俺のものだ。この俺を冒涜しているようなものだ。あの男はいずれ、消さなくてはならない。

(だが、その前に……)

ソファに縫い付けられているエクセラを見た。消毒をしてやらなくては。
エクセラの頭上に両手を一まとめにして押さえ付け、括れたウエストに付けられているベルトに空いている方の手を伸ばし、それを外す。すると、容易な仕組みの服はあっさりと豊満な胸を晒した。ふるふると揺れるそれを、余すところなく舐め回す。

「っ…は、ぃや…んッ、く…」

嫌だと拒絶しているエクセラだが、体は素直に反応を示している。





次へ
前へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ