novel2
□裏表な心と体
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薄暗い寝室。
荒く繰り返される呼吸。
卑猥な水音。
耳障りな程に軋むダブルベッド。
肌と肌がぶつかり合う乾いた音。
それと呼応して上げられる、悲鳴にも似た嬌声。
「あっ、あ、やっ、あ…!」
俺の下であられもない姿を晒しながら喘ぐエクセラ。そこにはいつもの強気な態度は無く、与えられる快楽に溺れている。掴んでいる細い腰は、快楽を求めて揺れていた。
そんなエクセラを焦らすように、性急に打ち付けていた腰をゆるゆると動かした。すると、閉じられていたエクセラの目が薄く開かれ、不満げに俺を見た。
「はぁっ…ぁ…アルバート、んっ…」
「何だ?」
「あ…イかせ…て……ぅあ…」
「……っ…!」
内壁が収縮し、秘部に治まる雄がきつく締め付けられた。俺は、仕方なく先程のように腰を打ち付け始めた。
「あぁっ!ひあ、あ、ぁん、あるば、と…ぁ」
「……イイのか?」
「ふ、あぁ…イイ、わ…あッ!」
エクセラの伸びた爪が俺の肩に食い込み、引っ掻き傷を作った。
「は、あ、る…ん、もう…ダメ、ぇ…」
「……ああ」
余程絶頂が近いらしく、びくびくと腰が震えている。俺は、エクセラを絶頂へと辿り着かせる為により深くまで、雄を突き立てた。
「ああ、あッ、は…ッぁあああぁぁ!!」
「……っ、く……!」
エクセラが果てたすぐ後に、自らもエクセラの腹へ精を吐き出した。
何度も荒い呼吸を繰り返すエクセラの顔中に、キスの雨を降らせた。
「……ねぇ…もう、いいでしょう…?私、これ以上は…」
「まだだ、まだ足りん」
「なっ…!嫌よ、何時間してると思ってるの?」
「…………」
エクセラは俺の下から、濡れた瞳で僅かに俺を睨んだ。だが、そんな事で怯む俺ではない。
俺は、エクセラの両手を己の手で押さえ付け、首筋にねっとりと舌を這わせた。
「…っん…や、だ…っ…」
エクセラの、俺を拒否する言葉に苛立った。
「嫌?…俺を拒むのか」
「っ…え?」
「俺は嫌で、他の男なら良いのか」
「アルバート…?」
頭の中で勝手な解釈をしている事は分かっている。だが、それでも止める事が出来なかった。
「他の男の所へなど行かせん。お前は大人しく、俺に抱かれていればいい」
「………………ふふふ…」
睨み付けるようにエクセラを見つめると、エクセラは小さく笑った。
「何がおかしい」
「ふふっ…貴方も、案外束縛する人なのね」
「…そんなつもりはない」
「でも、今の貴方は独占欲の塊だわ。…まあ、私を独占したいっていうのは、悪い気はしないけど、ね?」
エクセラは、そう話しながら俺の頬を撫で、髪を梳いた。軽く頬にキスを落とされ、不満げにエクセラを見やれば、仕方ないといった様子で唇が合わされた。
「…人の事ばかり言ってられないわね。だって、私も貴方を独占したいもの」
俺を独占したいというエクセラに、満足気に笑って見せた。
「嫌だと言った所で、離さんぞ?」
「ふふふ…私もよ」
互いが互いに抱く独占欲。その欲は、愛する上で必ずしも抱くものなのだろう―――。
-end-
人はそれを愛と呼ぶ\(^O^)/