深淵ノ匣
生ける者の世界でも、
死者の国でもない。
来し方行く末、
天地四方。
あらゆる時と繋がり、
あらゆる場所と結ばれた
―――此処ではない何処か。
そこはまるで、
幼き日に見た夢の墓場。
大人の理屈を嘲笑う、
奇妙に狂った子供部屋。
人々の多くは、罪人を捕らえる牢獄であると言う。
だが、
誰もが
「他愛ない御伽話」と
笑い飛ばしたその深淵は、
二人の少年の足元に確かに存在していた。
狂った(おかしな)
御伽話が
今
幕を開ける
罪を背負った少年
迫害され続けた少年
今なお深淵の鎖に囚われし者
この三人がいてこそこの物語は成立する。
少年よ
今こそ
真の力を
甦らせるのだ。
そして
救うがいい。
「必然」という名の
御伽話を。
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